思いますよ

<3049>「所感(2)」

社会に居て、必ずぶつかるのは自分がどういう人間なのか、という問題で。 仕事の技能とか、何かを覚えるとか、そんなことはいつでも些末な問題だ。 1日のほとんどの時間を費やす場所なのに、あんまり馴染みたくなかったり、 皆でひとつのことに向けて盛り上…

<2699>「興味はあって、興味がない」

私は、魂の深さみたいなものを、本当は重要視しているのかもしれない。 そういうものは、なんとなく恥ずかしいし、ださいので、全然そんなものは重要視していないような振舞いを反対に、今まではしてきたのかもしれない。 yutaro-sata.com 何故、付き合うこ…

<2694>「心が躍らない場合は」

自由恋愛というのは体のいい嘘だというのが率直な感想だ。 といっても、それは、 「自由に相手を選べないじゃないか」 という意味で言うのではなく、 「恋愛は自由であるというように見せかけて、実は半強制的なものである」 というのを私が常に感じ取ってき…

<2673>「友情的に存在するということ~過去と治療8(終)」

家族というものは、私にとって、 「私は存在しない」 と思い込まないことには通過出来ない場所でした。 同時に、私はその妄想を、自己の足場として内化し、強化しました。 生来の気味悪がりから来る、応えなさを、逆に自己の特色として育てました。 心苦しい…

<2668>「存在する父、存在しない父~過去と治療7」

父は、家庭だけでなく、ちょうど私が中学生ぐらいのタイミングで、会社でも何かが上手く行かなくなっていたのかもしれません。 帰ってきては酒を飲み、家族に嫌なことを言い、そのことで家族が嫌な顔をすると、それをきっかけとして掴まえて、キレて当たり散…

<2659>「私は存在しない~過去と治療6」

今生きている現実と、子宮内で体験した現実とに大きな開きがあり、いつもおびえて、応えず、気味の悪さを抱えているひとりの人間。 その人間は、家の近くにある川沿いをひとりで歩く時間に、妙な安らぎを見出すようになります。 ここには誰もいない。 ここに…

<2653>「心情的に裏切る、呑み込まれる~過去と治療5」

私は、野球をしてみたいなどと、自分で思ったことはありませんでしたが、嫌だというほどのことでもなかったので、見学に行ってみることにしました。 実際に練習を見ていても、特に何も感じませんでしたが、帰り際、父や、コーチをしている周りの大人たちに、…

<2647>「愛していないし、応えない~過去と治療4」

事件の映像を見終わると、父は、私に向かい、 「お前も将来こういう犯罪者になりそうだな」 と言いました。 周りの家族や親戚は笑っていました。 私は、何がおかしいのかが分からなかったので、笑いませんでした。 しかし、今になって思うのは、そんなことを…

<2635>「泣かないし諦めている〜過去と治療3」

私が物心が着いた頃にはもう、父のそういう姿というのを見ることはありませんでした。なんとか立ち直っていたのでしょう。 両親からすれば、ここから一生懸命やれば、子育ても大丈夫なはずだ、と思ったはずです。 二人の状況や張り切りを想像すると、やや切…

<2630>「お腹のなかにいた頃の話~過去と治療2」

私は、吉本隆明さんのことが好きで、よく読んでいます。 吉本さんは、おそらくご自身のテーマのひとつであるのだと思いますが、胎児や赤ん坊の話をよくしています。 そこで、私が面白いなと思って読むのは、お腹のなかにいるときに経験すること、生まれてか…

<2624>「気持ちの悪い日曜日~過去と治療1」

今はもうそんなに若くもないので、それぞれの人生の物語や環境が違うことがよく分かっています。なので、一般的には、人間は、家族というものを形成していった方が良いのだと、今は考えています。 しかし、個人的な話をすれば、私は、家族という在り方を、全…

<2611>「スキンシップは切ない」

というのも、それは私がどういう人間であるかが、一瞬で分かってしまうから、というか思い出されてしまうからなのだが。 商売上の意図であれ、興味本位であれ、何の目的もないことであれ、私は、女の人にスキンシップを図られると、それだけで簡単に好きにな…

<2564>「ハイテンションでなくても楽しいんだ」

生きていて楽しいのって、訊かれたことがあるのだということを、今までに何度か書いてきた。 yutaro-sata.com これは私のなかの重要なテーマのひとつになっている。 私は、生きていて楽しいとか楽しくないとかを、あまり感じない人間なんじゃないだろうか。 …

<2542>「即興で編集してペラペラと喋ること」

『心はこうして創られる』 何回も言及してしまうが、いやあ面白い。 今度はまたこの本を読んで違うことを考えている。というか思い出している。 本の中で、人間は記憶の蓄積を使って即興的に言説をその場その場で作り出しているという話が出てくる。 それで…

<2537>「人が見ているところ、見ていないところ」

人が見ていないところで頑張っている、と聞くと、あなたはどう思うだろうか。 人が見ているところで頑張るのは当たり前だけど、人が見ていないところで頑張っているのはすごい、と思うだろうか。 こんなことを書き始めたのも、もし上記の感想が広く一般に共…

<2533>「夢を持つことの重要性」

『心はこうして創られる』を読んでいる。途中ではあるが、もう既に感銘を受けている。 つまり、人間の心に深さなどなく、つまりどこか奥深くに真実を宿した心があるわけではなく、心は徹底的に表面であると。 そしてその表面上でその場その場の即興劇を繰り…

<2496>「山手線の興奮」

初対面のインパクトが大きかったので、山手線に乗る機会があると未だにちょっと興奮してしまう。 中学校の部活で、他校への遠征があり、電車に乗った。 京王線からJRへ乗り換え、都心へ向かい、それからまた乗り換えをして、が初めての山手線との出会いだっ…

<2493>「よく考えろよ?」

上手く眠れる日が何日か続くと、その後しばらくは上手く眠れない期間に入る、という流れを繰り返している。何が原因かは分からない。そういうリズムなのではないか。身体がカチッと音を立てて切り替わっているかのようだ。 それでも、もっと若いときなら、 …

<2474>「しつこさという毒を」

小学生くらいの頃だっただろうか。 家族で田舎に帰省して、祖父母の家で、妹と一緒に遊んでいたときだったと思う。 遊びの最中、何が気に食わなかったのか、そもそも何か気に食わぬことがあったかも今は定かではないのだが、妹に対して、 「それはどうしてな…

<2470>「自分の欲望を上手く捉えることは」

私は、話したいと思っていたのだろうか。話したくないと思っていたのだろうか。 自分の欲望を正確に掴まえることは難しい。 中学生くらいのとき、 「私はもっと話したいのに、私と話していると、クラスメイトが途中で遠慮するように話すのをやめてしまうのが…

<2437>「内には立ち入らせないという、その始まりの日」

社会科見学の一環のようなものだったのか、 小学生のとき、地元のスーパーやお寺や、その他なにやかやを班ごとに分かれて巡るような活動があった。 と言っても、ひとつの班は大体1か所か2か所くらいを巡るだけで、あらかじめ決められたスポット全てに行ける…

<2427>「何のだかが定かではない巻頭言/現時点では謎として提出するよりほかないもの」

明確な論理、納得できる思考の筋道を示すのではなく、 「これはもう既に決まったことだから」 という形で、既成事実を作り上げる呪的な作法に対し、正確に、論理的に批判を行っている人々を見るときの物足りなさ、じれったさみたいなものはどこから来るのか…

<2408>「虚無について」

虚無は、零空間への再接続として捉えられるのではないか。 yutaro-sata.com 中沢さんの講演を繰り返し聴いてみて、そんなことを考えた。 皆さんは虚無の時間をどのように捉えているだろうか。 私は、今までせっかくずっと続いてきた、楽しかったり興奮してい…

<2326>「遅刻」

夢や幻と遊び過ぎていたら、数年振りに大遅刻をかました。 それは当然遊び過ぎていたらそうなるのが自明であるところを、本当にそうなって、なんでか分からないがびっくりした。 高校時代は遅刻の常習犯で多分200回ぐらい遅刻していたから、なんだかその…

<2320>「山本陽子さん」

blog.goo.ne.jp 私は生きているときにふと、 「山本陽子さんはどんなふうに清掃の仕事をしていたのだろうか」 と考えることがあるが、すぐにまた、 「いや、言葉の毒に当たり切った人間にとって、労働というのは端的に零だったはずだ」 と思い直す、というこ…

<2315>「蕩尽と温存~野球と日常生活」

この前久しぶりに野球をやった。草野球ですね。 ボールに触って投げるのも十数年振りというような状況で、どうなることかと思ったが、とりあえずの形には収まった。身体の野球の蓄積というのは馬鹿にならなかった。 しかし準備面で言うと、正直なところ不足…

<2287>「秋葉原事件のこと」

shirasu.io シラスでつちやさんの放送を見、久しぶりにこの事件のことを思い出した。 当時、この事件のことを何か現実感の乏しい、不思議な現象として受け止めていたことを想う。 放送を見ると分かるように、加藤さんの生涯は暗い。 母親からのあからさまな…

<2253>「不思議な問い」

yutaro-sata.com yutaro-sata.com 自分のことはよく分からない。だから人から、 「あなたって、こういう人だよね」 「こういうところがあるよね」 というのをぽおん、と放られると、とても勉強になることがある。 自分自身を探る手掛かりをもらった、という…

<2216>「町とめんどくささについて」

Aという町があったとする。 そこに用があっていくらか通っていれば、Aという町だけと関係が生まれたように思う。 しかし、実際は拠点(ここでは仮にBとする)からAという町まで伸びた線と、その線の往復とから関係が生まれていたのだということが最近分かっ…

<2171>「もしこの道を行っていれば」

吉本さんは『悪人正機』のなかで、大学というのは大学という幻想から醒めるために行っといた方がいい、というようなことを言っている。 これは何でも同じかもしれない。 私は最近人生の間でちょっとだけ会社員になっていた。正確にはまだなっているのだが、…