2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

<69>「取って行って見て朝に」

空白があれば埋めたくて、埋めることなんかないよと言ったって良いけれども、空白があれば埋めたいということが全てで、有る無しの話ではない、それはどこでないかと言えば全部がない。どこでも。何かの区切りをつけようと、締めようと、一新しようと、そう…

<68>「水はあんまり自由じゃないのかしら」

利かん気、そういうものが意外とぴったりくっついていた。それは利かん気、そういうものの欠如、まあ、欠陥ではないだろうそれが、他人に見られたから気づく。あまりに言われるがままに見え、どうもあそこまで不自由だとあんまりじゃないかと言いたい気がし…

<67>「不安がなくなる不安」

心持ちが動くことに、何ら(何らと言って良いかどうか)抵抗はない。そこを固定化して、動じないぞとやるのが自由でないことは明白だろう。動きたいなら、勝手に動くがいいさ。警戒するのは、ある着地点、動きの一点に拠り所としての役割を求める気持ちが芽…

<66>「誰だか分かる?」

方向を変えるぐらいの力はあったろうか。それでも、目的地までは変えられない。それだけ浮いている、根を張っていない。だから、ぶゅーうと笑う。ときどき苛烈になって、怒っているようにも見える。だが、まあ大したことはない。場所は取らない。止まって話…

<65>「語れないこと」

悲嘆はもう語れまい。嬉しさ、あるひとつの快楽がついてまわる。悲しみを打ち明けられない悲惨さ、悲惨? それも、間違いのない全的な悲惨というのはもうない。語れば、いや、語らずとも、悲しみを想い浮かべただけで、その裏にびったりとくっついた喜びが浮…

<64>「拒否また拒否」

包むつもりがない。そういうことはわりかしハッキリと伝わる。他のいろいろな条件をあげつらって、あーでもないこうでもないと言い、何となく説明のついたような、どこか納得のいかないような心持ちになっているが、そして、自身に付随する条件の悪いことを…

<63>「回転方法」

どこから来たの? さあね、どこから来たんだか。というのも、技の限りを尽くすこと、徹底的に相手をもてなすことしか考えていなかったあの人は、何故かこの場に上手くそぐうていたのだ。 「それ以外のことなんて、全くいらないほどなのよ」 冗談にしか響かな…

<62>「むしめっし」

無私だとか、滅私だとかいうことを伝えたとき、それが苦し紛れであったことに胸が締めつけられるような思いがする。私が掴んだものはそんなものではなかった。言葉にするということは物凄く範囲を限ることだった。無私だとか滅私だと書いてはいる、言っては…

<61>「全てが逃走だ」

逃げ惑う。好もしさ、そうあれという要請、止まった? 肉体の上でのことだけだ。ハッキリ去るのはもちろん、オロオロとそこいらをうろつくのも、キッパリ決めてしまうのも、何ひとつ逃げでないものがない。どこかの目標点に向かって、見失いそうになりながら…

<60>「くずれてくずれて」

一瞬、何かを分かりかけた。考えた末のことではない。暖められる車体の不気味な響きにひどく怯えながら、その何かを追いかけていくことが同時に遠ざけることだと知りつつも、手を伸ばさない訳にはいかなかった。埃は、指で触れようとするたびに、奥へ奥へと…

<59>「只」

どうか、甘い考えを持っていて。甘い考えを叩きたいと思っている人が大勢いてくれるから、甘い考えを持っているくらいで丁度良い。それに、甘い考えを無くすと、活発に動けなくなるから。硬直化するんだね。 それはそれは厳しい考え、シビアな考えを持ってい…

<58>「移動と涙」

いちどきに霧散してしまえばいい。そうして良いものだけを纏って、この場所に・・・。しかし、それは動きを否定することだ。マイナスな方向、そんな方向があるのか知らん? 分からんが、動いて、動いて、動いていって、動きがなければいいか、苦労があるよう…

<57>「間違いに徹する」

ひとりじゃ生きて行けないと言ってみたり、結局はひとりじゃないかと言ってみたり、苦労が云々恩が云々、あれの経験、この経験。愛が必要だ、意味だ無意味だ、やれ繋がり・・・。 「それらはどれもが場面々々においては確かに真実で、矛盾するようだがちゃん…

<56>「過剰へ」

ズルについて、もう一度考えてみよう。考えてみようと始めてみたが、もう答えは出ていて、あなたが考えているズルというものを剥いでいくと、何にもなくなるのだということ、つまりズル剝けだ。 ズルの集合、ズルの結晶、それが私であって、それ以外のもので…

<55>「重さが過ぎるのを待って」

誰より自分が、一番よそよそしかった。確かに気持ちを昂らせてはいる。しかし一方で、これでもかというほど冷静だ。いや、冷たいとかいうような、温度すらない感じで、抜ける前からそもそも抜けていたというのが適切だ。これがいわゆるところの技術か、とい…

<54>「少ない色で」

様々のものが私を通り抜けた、と想定する。そういうとき、何かがついて、膨れ上がり、何らかの力になったと考えることが出来るか。何らかの力になっていることはあり得るとして、身についたということは、どうもなさそうだ。あるとしても、微々たるものだ。…

<53>「混ざった」

それは思い出と言えるような類のものかもしれない。自分の現在の考えとはどうしても思われぬし、それに猛威を振るわれているようなこともない。しかし底の方に沈殿し、使われなくなっても尚、僅かばかりの位置を占めているそれ。意識しないで放っておけばい…

<52>「驚愕の日常性」

ええ!?と驚いている。ああっ!!と驚いている。それも日常的に、だとしたら、何となくそれは胡散臭いし、多分に誇張されているようにも見えるだろう。しかし私は、常に驚いている。そうなのだ、そう言っただけでは、上記のような発音に伴う表情を作ってい…

<51>「浮遊のざわざわとする感覚」

何の為にというような空気が確実に抜け始め、明らかに途切れてしまっているであろうものが、何らかの連続性を保っていることの不思議さが、次第にくっきりと浮かび上がるようになってきた。絶対に反抗しないという態度は、反抗であることを免れているのだろ…

<50>「楽しいことの毒」

楽しさを抑制することを考えなくてはいけないのではないか。楽しさを享受するなというのではない、楽しいと思ってはいけないというのではない。楽しむのは別に、充分に楽しめばいい。つまり、楽しさの表現、外側への流出の過剰を少し考えてみなければならな…

<49>「裂け目に映る水、人」

何かが動き、何かが刻々と変化していることは分かる(それでも、大分時間が経ってからだが)。だが、どこかへ向かっているという話は分からない。暗闇は暗闇でしかなく、そこに伸びる線などは、どこにも見留められない。直線を見たがる、見留めたがる。ベビ…

<48>「色の分化と集合」

細かいことを執拗に憶えていきながら、もっと忘れて、それも勢いよく忘れていっていいんじゃないかと強く思っている。ただただびっくりした。どれもこれもだ。そりゃあ日常的に触れてはいたが、出会うもの出会うもの、全てに自分の顔を見るとは思っていなか…

<47>「それも含む」

それも含むと言いたいのだ。当たらない、該当しないといって、 「違う」 と言ってしまいがちになるが、違いやしないのだ、それも含む。例えば、喜怒哀楽そのものではないにしろ、喜怒哀楽が入らない訳ではない、それも含まれるのだ、それだけではないという…

<46>「良い人間とはなにだ」

道徳的であるとか、良い人間になるとかが、厳密に言えば達成不可能であることを知っている。だからその完全なイメージと比較することで自身を苛むのが不毛であることも分かる、分かるには分かる、がしかしだ。そういう基準を放棄し、梯子を外すことには、何…

<45>「何が分かった」

お前、分かってるなあ、いいね、分かってるよ、お前って奴あ本当に分かってる。分かるという会場があって、そこに入場していく私。しかしそれは私のイメージだから、私しかいない。分かっている(と思っている)人も、分かっているということもどこか遠くに…

<44>「どう溶ける」

面白くないと言う、うん、それは主観だからしょうがない。しかし、のめっていないからではないかと思うこともままある。ただ、忘れてはいけないのは、のめる義務なんかないのだということ。自分だって、義務感からのめっていった訳ではなし、楽しいからのめ…

<43>「必要と必要」

必要とされないことも辛いかもしれないけれど、必要とされることはもっと辛いなあ・・・。どうして私という存在は、完全に宙へと浮いてしまわないのだろう。必要とされないことがなんとなく辛いから、必要とされる方へふらふらと揺れ動いていくのだけれど、…

<42>「ただと目的」

どうせ死ぬのだから、という考えは、一見意味を認めていないような考え方にも見えるが、こういう考えほど強く目的というものを意識しているものもないのではないか。どうせ死ぬ、だからこれをやる、いずれ死ぬ、だからこれをやらないと言うように。目的のな…

<41>「ためにではないもの」

為にで見ればもれなく間違うというのが自分の考えだが、それが助けになるのなら、仮の目的地を設定しておくことも悪くないとは思っている。しかし、他人の死の瞬間だ、間違いが当たり前のように存在している場面は。 「この人の一生とは一体何だったのだろう…

<40>「駆け、駆け、駆ける」

バランスをしっかり取っていること、なんとなく格好の悪いことだと思っていないかい? そうだよ、一番はあんただよ。でも、格好良い悪い以前に、バランスが取れていなければ、そもそも一歩だって踏み出せないんだということをよく確認しておきなよ。何回した…