2017-01-01から1年間の記事一覧

<434>「うろたえたい」

うろたえる動作を大事にしたい。 「なーになーに、そんなの全然平気。だって、おかしなことじゃないじゃない、当たり前のことじゃん!」 とまず言ってみて、態度も、その言葉についてこさせるという方針を取ってもいいのだが、それでは、いつまでも嘘の顔を…

<433>「何故なら私だって身体だから」

私だって身体なんだぞ。いいか、どうして言うことが先に決まっていましたと正直に言わない。浮き上がった言葉に、何の実感もありませんでしたと、何故正直に・・・。そうだ、スラスラと流れ出たろうな。聴いているんだか、感心しているんだか分からない景色…

<432>「要素がこぼれた真理」

要素をこぼすという話、何回も何回も書いてきたが、それは即ち何度も気になっているからということで、例えば、私とあなたがいる、それを「人」という共通項でとりあえずは括れる、括った中に入る要素だけで、とりあえず「人」についての結論はいくつか出せ…

<431>「私の色の歓声」

すると、まあどうだろう。視界を遮っていくものの歓声に聞こえるが、その範囲は広大で、全方位に渡っているものと思われる。こちらも、そうしたら同じように停止しなければならない。 「同じように・・・!」 そう、この覆いは、停止という停止に関係を迫る…

<430>「こちらから動けること」

べーべらべら流れる音を聴きながら、こちらはこちらで勝手に動き出しているのが心地良いので、たとえば内容を隅から隅まで叩き込めたからといってそれで楽しみも最大になるかといえば微妙なところなのであるむしろ、そうすることで、そう緊張することで、楽…

<429>「通過するがまま」

随分と頼りにしているみたいだが、あれは一体誰なんだい? ああ、あれは、通過するがままの人だよ。通過するがまま? そう、全体の中で、順調な運動の部分を担っている、通過するがままの人だ。すると、あなたとは逆? そうだ。現実とも? 逆ではないが、重…

<428>「ひのほだま」

そのままでは原動力にならず、ただ爆発していただろうことが分かるから、人間の一員で良かったと思う。とっくに終わっていてもおかしくはなかった、あんな危ない行き方をしたのでは。 一度静かへ戻ることが必要で、その必要性が、変化のスピードを獲得し、そ…

<427>「ぬるぬるする筋肉」

私には想像もつかない、制御を振り切った顔が、そこにあっていればこそだ。楽をしているのだろうか、楽を。身体をひどく強張らせているが、それで一体どこへ動こうというのだ? 距離を取ることが一番の課題であることを確かめた(それは確かなのだろうか・・…

<426>「透明さと遊び」

消去法で、消極的に、おんなじ人間になろうとしている。いや、誰か特定の人ではなく、透明の人、どこにもはみ出すことのない、どこにも異常の見つからない、透明な人に、消去法で、消極的に、なっていく。では、反対に戻っていくのがいいのだろうか。とんで…

<425>「恥ずかしいあぶら」

なまなましいが、どうだ。私は恥じらった。自分が、なまなましくないことにか? まさか! いや・・・。どうも、なまなましさのない方へ、ない方へと行くのが頭の働きであるらしい。その無数の結果の中で、歩いている。 「なあんだ、随分と透明じゃあないか!…

<424>「不在者の宣言」

留守に訪ねてくれ。理由は訊かないでくれたらいい。訪ねてくれれば充分だ。さあ、行った行った。どこを探さないでもいいんだ。予定も要らない。懸案も、約束もそう。そんなものは適当なところへ置いておけ。まさか、そこを行くのを見た、急いでそこを曲がる…

<423>「転がれよ」

鈍たくなるその頭の中に、透明な何かがカラカラと、音を立てたいような気持ちで居り、いつの間にやら動きが固定されていることを知る。脱出だろうか。ここで大切になるのは、脱出だろうか? これ以上は何も考える気が起こらないし、だいいちそんな人間ではあ…

<422>「削り屑」

削り屑は考える。あまりにも、熱を持っていて、それを隠したいのかもしれない。削って、削っていれば、それは冷めるのだろうか。いや、落ち着かせようとして、そうするんじゃあない。おそらく温度とのズレを、ついていかない場所を、丁寧に、あるときは乱暴…

<421>「安易は馬鹿にならない」

安易。さあ、安易なるもの、それは、私? 安易な本、安易な話、安易な関係性、 「安易だなあ」 と思いつつ、近づいて、手を伸ばす。思いのほか、影響を受け栄養を見て、馬鹿にならないものだなと思えば。 そう、安易は案外馬鹿にはならない。こういうものは…

<420>「書くというコミュニケーションの自由さ」

習慣的なものであるとか、常識、ある種の教育がなければ、そしてそこへきて、 「観客であっても別に自由に、退場したいときはしてもいい」 という空気が当たり前にあったとしたら、誰ひとりとして観客席に座り続けていることはないのではないか、というのは…

<419>「演目の長さ」

延々とではないにしても、ある程度の連続した、まとまった時間、観客であるということ、そういう役割を受け容れられるということには、ちょっと尋常ではないところがある。そこで展開されるものがマズイ訳ではない、ただ、もう30分もしないうちにその固定…

<418>「説明と身体」

苦しみ、日常些細事、不安、歓喜、通常の運動がいっしょくたになって、そのときどきで、色や形を変え続けているから、まともに目にすることをほぼ衝撃的に欲し、またあるときは直視を避けた。素直に覗かれるとき、そうだなあ、覗くなどという意識が排されて…

<417>「呼び声のひとつ」

そのとき、何故か、私の声を、聞くとでも思ったのか、なあオイ。俺はひたすら呼んでいることをこのように考えているぞ。身体が呼び声のひとつになる。様子が違うかもしれないが、それは当たり前なんだ。一度たりとも見せないという約束と、その約束だけを胸…

<416>「逡巡、淀み」

完璧に良くはあれないと認識するところまではいいのだ。だが、個人的な話にしても、周りを見渡したときの話にしても、そこから、逆に開き直っていることが多すぎるのだ。良くはあれないのならもう開き直ってしまおうというのは、その中身こそ違えど、ポジシ…

<415>「均衡と」

自らの有り様が、不問に付される立場には、決して立たねえ方が良いやな。その立場が悪い訳でもなし、そこに立ったからといって堕落が始まるとも到底思えんが、それはまさに有り様の問題、どうありたいかというところにだけ関係してくるってえもんさ。 どちら…

<414>「奥底的な快楽」

禁欲的な態度、生活実践に、固有の辛さ苦しさは確かにあるだろうが、そういうものに対して、 「偉いね」 と言っている人を見かけると、それは少し違うかもしれないぞ、と思ってしまう。 第一に、思うさま欲望を解放した後の、言いようのない虚しさを回避出来…

<413>「含めて全部」

どういったものなのかを把握したいという欲望の後ろに、しっかりと限定はついてきて、それは確かに仕事をするのだが、限定されたものとしての姿しかそこには現れないから、把握したいと願ったものそのものとはいかなくなっている。もちろん、そのものでない…

<412>「乾いた音とともに回る場所」

この男は、出口でひとり、説明不要のものと化していて、戸惑いを存分に回転させうるだけの場所となっている。また、それは決して理解不能のものではない。当人が、まさか、この態度を持て余している。しかし、それを感じさせないよう、力強く、ただ立ってい…

<411>「歩みの遅さ、揺籃」

ここに、こうして、理由も何も、集まってくるなよ。起きたことの仕方のなさというのを、どこまで進めていったらいい? とても怖ろしいことを考えようとして、疲れて失敗に終わり、僅かに動揺させたままでいる。 ここに戻る、いや、ここに戻したいのだろう。…

<410>「記述につきまとう正しさ」

「自分が正しいと思っている人」 を、批判しようとするのは別にいいのだが、自分が正しいとは思っていないつもりの人が、どれだけその正しいという考えから離れているかというと、実はそんなに離れていないのではないかという気がしてくる。語るそばから、記…

<409>「きっかけ」

声に出すかどうか、迷っているように見えた。まあ、この人なら始めてくれるという考えが、そんなに大きく揺らぐ訳ではなかったが、どうも、周囲が必要以上に息を詰めていることを気にしている様子だった。誰かが何か、例えばひとつ咳払いをするんでも、ちょ…

<408>「当たる角度だけで」

他人は、どこまでも自分を含んだものとして在るとはどういうことだろうか。自分で見ているというのはそういうことだが、おそらく、自分を含まないその他人というものを見てみたいと思えば、何もかもを完全に見失うことになるだろう。目を瞑ってみたところで…

<407>「切、変、」

10歳の頃の内部を、技術を、上手く思い出せない。おそらく同様に、10歳頃の自分が、自分というものを延長した先に、今現在頃の自分というものを正確に思い描こうとしたとしても、それは上手く行かずに失敗に終わったことだろう。同じ人物の時間的な隔た…

<406>「弁明と弁明」

もし悪人が、己の悪さ加減について弁明する機会を永遠に奪われるようなことになったとして、それは良心に責め苛まれている状態なんかよりも遥かにきつい状態に陥ったことを意味するだろう。自分が悪いという事実を、自慢風にであれ反省風にであれ、まるで語…

<405>「歩き方の達人」

遠路はるばるやって来て、寸前だというのにもかかわらず、あら違うと思ってぷいっと帰っちゃう(どこで見た話だったか、未だに見つけ出せていないが)、これは、フットワークの軽さ、動きの自在さというだけではないかもしれない。では、この境地には一体何…