私は、魂の深さみたいなものを、本当は重要視しているのかもしれない。
そういうものは、なんとなく恥ずかしいし、ださいので、全然そんなものは重要視していないような振舞いを反対に、今まではしてきたのかもしれない。
何故、付き合うことを考えるとうんざりしてしまうのか。
「そういうことに興味がないの?」
というのは、難しい質問である。他人は私ではない。想定外の角度から質問が飛んでくる。
生理的な喜びという意味で言えば、興味はいくらでもある。
いつなんどきでも、綺麗な人に会えれば嬉しいし、話せれば嬉しいし、触られれば嬉しい。
けれど、それはただそれだけのことでもある。
何故デートなどでうんざりしてしまうのか。
それは、そこに生理的な喜びだけがあって、相手の女性に心の底から感動したり、ワクワクしたり、尊敬したりしている部分が少しもないのを感じ取ってしまうからだ。
私はひとりでいるのが好きだ。
だから、よっぽど相手の人の、言わば魂の深さみたいなものを感じ取ることが出来なければ、一緒にいたいと思うことができない。
生理的な喜びだけで一緒にいて、その回数が増えてくると、最初は楽しくても、段々段々その時間が苦痛になってくる。
「興味がないの?」
とは、難しい質問である。
私は、
「生理的な喜びという意味で言えば、それは幼い頃から今までずっとある。しかし、心の底から感動し、魂の深さを感得し、本当に一緒にいたいと思った人に出会ったことは一度もない」
と言う。
だから、私は、
「興味はあるが、ある意味ではちっとも興味がない」
のだと思う。