2021-01-01から1年間の記事一覧

<1960>「仮の場所」

僕とあなたは暗所に居ました、、 このなかで、 なにやらカードだか、おもちゃだかを見ていて、 ここが暗所なことを、 気にも留めませんでしたね、 あなたのお母さんが、 静かに台所で何かをしている、、 僕はその背中を、 遊びの熱からそっと逸れるたびに見…

<1959>「声と左手」

次から次へと鳴り、、 今はどこなの? と、静かに言う姿、、 私はどこか遠くから、 ひとつのしるしを見て、 ふらふらとここへ出てきた、、 どこかから漏れてきて、 私はいた、 私は身体を持っていた、 潜行的になったのはいつからだろうか、、 複数の声が当…

<1958>「面のなかに垂れる」

しるしのなかだな、 かたがたが、外へ来る、、 いつとなし、それは、沈む、 肌へ来る、流れる、、待っている、、 私はしらずしらずこのはてへ、 小さく手を出さしてくれ、、 あられたら、あれ、ホ、、生まれた、 私は過ごす、 からだから続いてくる、ものご…

<1957>「邂逅」

あれは声をタガエテ、 まっすぐに、ここへ、絞られてくるのだ、 誰か、 まっすぐに歌っている、 身体をタガエテ、、 ただ縦に響け、 そこにはえるらしい時刻の、 まとまりのなかに棲み、、 粒ひとつで回転している、 ねえこちら、 ねえこちらを向いて、ほら…

<1956>「感の在り方」

あ、挟まるんだな、これは、 どこの道を通ったのかは分からないんだけれども、 過ぎて、およそ、 このはたに生まれた、、 片方から、宇宙が来て、、 なにだ、ひとり、晴れて、、 その目論見のなかにいる、 なにと、ひとつ揺れて、、 あなたはここの隙間、 あ…

<1955>「糸 糸」

暖房 湯気 マフラー フードコート 年末 大型図書館 路面凍結 修二会 肉まん ゆく年くる年 佐野厄除け大師 みかん 箱根駅伝 ドリームマッチ 銅銭 カナダ 女性 銀紙 大豆 ひなあられ 桜 川沿い 大型書店 新歓コンパ 水 緑 バーニャカウダ サイゼリヤ 期待 ボウ…

<1954>「瞳に身体を溜めて」

平面から、 まくろな姿をあらわして、、 私はそのかたんとした長い響きのなかに、、 紛れる、 あ、ここで生まれたことは憶えていない、 ここはちょっと前まで森でした、、 どこからきこえているのか、 それは森でした、 静かに染みていく、ただのあなたの声…

<1953>「根の赤い染み」

ほどけていたな、、 周囲で、 えらく、声のはじく、 私は種の後をつけていた、、 いたく呼吸の絡まるところから、 ひとりで、漏れて、出たのだ、、 わたしはその円の手合いに触れ、、 久しく触れていなかったものに触れえた、人間の手つきで、 ここへ、挨拶…

<1952>「温、と」

かたい命のはしを直にその手で触っていた、 お前はその様子のなかで、 ただ、湧いているのを感じ、 ああなんだな、と、ずらずらと出てきたのだ、、 そこに通る声と、 まともなものさしと、 ひとの熱にふられてゆく姿・・・ あたしのその姿形、 なにを通る、…

<1951>「耳朶に垂れる」

あつい・・・ なぜ、この格好をして、 私はここに来るのか、、 てんから、ばらばらにひらけた、 あなたのリズムがもう、そうなっていた、、 食べた、 あるものを食べた、、 わたしはこえの増えるところ、 知らずにそのまのなかで熱が増え、 蒸気が増え、 ひ…

<1950>「あは、あな、」

あ、まだ混じれたな、 こんだ呼気のすぐに流れ、、 その境へ、 あたりまえな姿をして、、 入ってきやがった、 あたしはじりじりと音を立てて振るえる、 その線に、 まともに挟まろうとする、 ながいヒのなかに浸かっていようとする、、 はれ、はれ、、 いく…

<1949>「端の水に」

あの端の声の、 まうしろにさがり、今はただ構え、、 私は割れていく、、 すざまじい速度だ、、 剥がせ、剥がせ、剥がせ、、 声がきこえるのかな、 あれば振れるものの姿の、 知れると見えて、、 またあたまのなかに繋がる、、 なにだ、時刻が湧いたか、 ほ…

<1948>「時間をきく」

ただあたまのなかに、、 ひとつの映像だけを残して、 私はそのまま踊ることにしたよ、、 はい、はい、、 呼吸などがそこで、激しく割れて行きながら、、 はい、はい、、 私はその感のなかを探る、 はい、 なにだらその時刻だら、、 はてで私を浮かべて、 ど…

<1947>「長い日の白さ」

みんな白く浮かんだ、 行先などどこへなど、 私は地の方で指をかきましていて、 その時に過ぎる、、 からだのなかに熱が当たってきて、、 ひどく、誘う、、 私はこの方向に傾く、 ええどこかへ、 ええお帰んなさい、、 あたしは違和の印を受けた、、 ここら…

<1946>「古い声の膜は」

探してくれ、 今そこに挟まって、あふれたままになっていること、 探して、 遠くを見て、 今そこにさわぐものとしての、 この大きな身体を、 案内してくれ、、 あたしは身体が進み、 どこを見ているか、どこを探りつ進むのか、 私はここの呼吸なのか、 など…

<1945>「霧中の笑み」

彼は触れた、 およそ湧いてきたものの、 それぞれに入り、 私はまた、違う時日であり得ていた、 揺らぎのなかの人、 外で話そう、、 話すべきなにものも持っていないけれど、、 どこまで行く、、 この人が出した声など例えば、 どこまで行くのか、、 喜びを…

<1944>「灰もまた人だ」

灰もまた人だ、 その人のケ、その人の過ぎ、 灰もまた、生活であった、、 あたしは生活する、 燃焼さわぎの横、、 あたしもまたかすかに人であった、 ふざけているのかと思うほどに、 あなたは軽く出来上がる、、 ほとんど空間だけで、 一様に、音の鳴る仕組…

<1943>「眠る日の色」

声のなかについたな、、 あたしのしるし、 全てそこに置かれたままだ、 あなたはだんだんに溶けてその方法の中へ、 液で、 私は澄みそうになる、、 たれか、かけらを渡して、 その向こうの声になり、私を渡す、 吊るし、 通す、、 ひとつの金属音があたりま…

<1942>「膜の熱へ」

形のなかにうずもれていたその一切をこちらへ、、 あたしが渡すのはその流れ、 ほう、どこから来た、 私は屹立する、 その肌に跡をつけて、 私は行く、、 この通りへ連れられたらいいのだろうか、、 曖昧に回転しながら、 私はなかでさわぐ、、 はてからはて…

<1941>「幼い時間の芽」

ひとつの喧騒が死んだところへ、 あくびをしつつ私は生まれる 寝顔は夜の色を静かに飲み 私は生まれる ここは抑揚か ここはあなたのひらたい時間のなかか 私は手を出していた 静かだ まだ生まれていないみたいに静かな夜だ 目と目が触れる おそらく私はここ…

<1940>「呼吸線はどこへ溶ける」

なにだか訳の分からない線が出てくるじゃないか、、 どこの姿だ、 あの直線のなかにじりじりと溜まっている特異の、 あなたは誰だ、、 どこまでその呼吸を続けうるのか、、 不案内なものを巧みに呼んでみせろ、 あなたは時刻と沸騰する、、 だらり、 姿がそ…

<1939>「線と共に踊る人たち」

噛み合わされたそのなかに巡り、、 私は目をひらく、 こんな声なとどこまでも響いて過ぎていけ、、 私は駆ける、、 どこというあてもない、 私はそのにちの影に静かに参ずるだけだ、、 ここは、静まり返っている、 私は呼吸だけをする、 どこへ来る、どこが…

<1938>「私は声を吸う」

表情の線が空きましたね、 過去をたうい、 まつりごとのなかにも今の姿が、 あたしはこれは火だ、 火が翳り、 私はそのざわ、と一音立つ場所へ居ました、、 存在をまっすぐに掴み、 きもちで振るえて、、 今そのひとつの印のなかに居ました、、 いまそこにひ…

<1937>「初頭の熱を探る」

身を移した訳のことなのです、、 その正面にはっきりとは見えていなかったが、、 お前はこの丁寧な時間のなかに、 まっすぐにきこえてきた、、 あぶらあせが流れますね、、 あなたはひろすぎるので、 いちどきに何事も殺到しないようにしているのでしょう、…

<1936>「表情のひのなかに入れ」

垂れる白い糸に触れた、、 なにが、声か、声ならば、ここに触れてくる、、 あれよし、、 自の振る、そのものの、たくみな回転量の、、 なかにはいれ、、 ちょうど、発話して、そこから訳もなく、 そこから訳もなく生まれて、、 ちょっとその線に、ましろに生…

<1935>「地球の朝の生き物」

地球が朝になり、私は鐘を育てていた、 私はと言えば、こんな時刻に生まれて、、 当たり前にこの鐘を手にする、 ぼけえと穴のアいたようなものなのだな、 ひらたくその時間にのびているよね、 いったい上空のバランスが失するから雨風なのかしら、、 それと…

<1934>「持続的にとけている人」

にじむにあたり、、 よくそのなかごとを見つめて、、 あなたばら、ともども、や、ひとつの声を掛けてくれろよ、 私は駆ける、、 どこぞへと行くのに情という気分はさっと波を引き、、 私は、 白い塊としてそこここを駆ける、、 そこで自身時刻から剥がれ、 …

<1933>「奥を行く手」

あの肌の熱さわぎのなかにひとつの仕草でうずまってだな、、 ひとつふたつと駆ける、 はっきりとした装いがいまここに垂れるものと見え、、 次から次へここに表情となり渡る、、 あの、遠くから声を掛ける人たち、 揺らぐひとつの葉、、 私は倍加する、 倍加…

<1932>「熱をうずめて」

あとにしていたらさらさらと流れて今にいるかたちたち、 そこからなにごとも漏れて、、 かたちは振り返る、 あるいくつの物事に触れてはたして生まれる、、 はたして、独話づく、、 快調という響きのなか、 あたしは巡りのなかにいるのだ、、 連れていたまま…

<1931>「水が生まれる前」

端にあるその手に触れ得たのは何だ、、 あたしは、時刻から、興奮から、、 そのあなたの隙間におりてきて、 なにがこの全景のなかにさわいで、止まないのかと、 静かに声を掛ける、、 時刻があり、 当たり前に垂れてくるひと、 ここには、呼吸しない、、 な…