2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

<1192>「煙の快哉」

私にはこんなぼんやりした煙が刺さっているんだ、 誰が拵え上げたんだ、、 目が回っていやがる、 身体が辺りへこぼれたがりやがる、、 どうだって言うんだ、 素晴らしく吸い込んでるじゃあないのか、 私もこんな狂った香りのなかに踊ってみたい、 よろめきを…

<1191>「時間はひとりでに照れて」

見慣れない眺めであると思った。 どうやらあなたもそうでしょう。 どこに来ているんでしょう、 あなた、ここへ置いとくにしても、記憶が多すぎるとそうは思いませんか、 時間がわたしたちを含みすぎているとは、 日のように流れているとは思いませんか、、 …

<1190>「生きている人は点になる」

面に、一日が、 曖昧に映り、過ぎました。 平素から、この行いが、 全くただにのびるひとつの道を、 分かりにくいものに変えています。 ひとが沢山過ぎるには、 あまりにもこの道は単純ではないでしょうか、 少し足りなくはありませんか、 ひょっとして、わ…

<1189>「青く照る身振り」

踏んでいってよ 剥がれて、、 そのさきで、顔からまず剥がれて お前みたいな膨らみのなかに顔を浸けていたい 穏当な、青い声の、 まばたきの、 真摯な膨らみに、 あるときにまさらに敷かれたこのヤで、 剥がれるままでいるとせ、ものともせで、 尋常、さあら…

<1188>「記憶より長くなる」

おお、そうです。 眩しいんですね、、 ここへ渡る時はずっと、 ここへ乱れる時はずっと、手が見えにくいんです、 尋常な視線が引っかかっているんです、、 うつろな声となれと、 ものはもので遠くまで映れと、 あれで等しく語りかけるでしょう? 不思議な気…

<1187>「静かに燃えてなくなる」

身振りの少ないものが目を据えて、 時間より長く一点を見つめていたら、 そこに小さな驚きが立って、 仕方を忘れる人が次から次に出来るのです。 と、 様子を窺っていて、 まだまだ足りないのか、、 もう、なんにも見ていないのか、 しかし長い時間が経った…

<1186>「仕舞うつもり」

例えば、事故や事件、病気なども含めて、完璧に、完全に計算の中に容れることが出来、つまり突然に、意識しないままに死んでしまうということはまるでなく、あなたは何年後の何月何日何時何分に死にます、ということがハッキリ分かるのが人間存在というもの…

<1185>「小さな珠」

小さな珠は跳ねて、 小さな珠は、 伏せる、 や、 や、お前さん、 お前さんは一体そんな姿をしていたか、 けして見せぬ腹を背をそんなにあらわして、 なんだ、 なんだ、勘定のそとに置いてほしいのか、 しかし困ったねえ、 どうにかこうにかして戻ってはくれ…

<1184>「夜の舟」

ややあって外界は眩み、 かすかに、しかし長い音が続く、、 そのときは誰も表情を覗かなかったのだが、 身体ごと隙間に沈んでいたと見え、 流れの先端に何が、 流れの先端に何が、、 あ、あ、という短い響きが、 裏へ、裏という裏へ、、 おそろしくて眠り込…

<1183>「一個の身震い」

その奥へ手を、 まく、ま、ま、巻きなさい、 なだらかな、 無言で、無表情で、、 あたたかく、 そっけない顔をした、 滴るなかを分けて触れるのがわたしです、、 意見を提出せないのです、 まだ生まれてはいないのですから、 言葉はいつとも知れずにかかって…

<1182>「金色を掬う」

何を張っているのだ。 あらかた過ぎるに違いないこと、 何を張っているのだ、 奥の、奥で、結び、 見えるもの、 過ぎた、過ぎた、 見えるものの時間は過ぎた。 これは歩にしよう、これもまた歩にしよう、 いとまもなくまた熱量、、 跳ね上がる、 回転盤へ静…

<1181>「眠る線の上に垂れる名」

あんまり触れていたもので、 色が剥げて、 遠くの方まで見えていました。 身体がかかります。 ひとつの呼吸を忘れ、 今またここを静かに過ぎるのです。 あたたか、でした。 緩やか、でした。 いっときかかり、 前へ、、前へ、、 かわきながら捨てる姿、 の、…

<1180>「手一杯の、今生の水」

はた、はた、 ぞ。 か、か、むかう‐ル‐ぞ。 おぞ。 いつ、いつ、メ、まじる・・・ のぉ、や、おんばさん えい、 上手、上手、 ひく、ひく、ひく、、 ぞ。 まさまさまさまさ、 や、 おいおまえさん水をつかいなさい、 ざんぶ、ざんぶ、 やあや、ははは、 ほら…

<1179>「被害妄想の自然さ」

人が怒ってさ、被害妄想的に内面を吐き出したとき、ちょっとホッとするところない? なに、意地悪な話? あ、ヤ、ヤ、そうじゃない。もちろんそれを受けたらうろたえるんだけど、同時に、 「あ、この人も風景なんかじゃなくって、わたしと一緒の一個人なんだ…

<1178>「底の骨の音」

基調。 まだ関係のない時間、 ぼんやりとして、 ヨォヨォヨォヨォヨォヨォヨォ じっと浮かべ はっきりと見、底はカラだ・・・ こつ、こつと、、 骨を打ちなさい・・・ 言葉をあげなさい、、 そら、そら、そら、、 じっと笑みのなか、にじんで立つ。 何まうし…

<1177>「骨の無表情で見る夢」

いつもより遠い時刻が薄闇に光って、 いつもより高い音を立てて鳴っている。 漠中漠、走り、、 堆積は舞う、 舞う、、舞う、、舞う 一切煙のなかにほうり込まれ、、 一切を言わない こんなところまで染みていた、 こんなところまで、、 ただの記号になると思…

<1176>「生まれて燃焼へ」

房を出る。 ふさぎ、ふさぎ、ふさぎ、光る。 房を出る、房を出づ、 一切境、一切明、 かぜなかを等しく切れていって、 ぼう、、ぼう、、ア、 アたらしく飾り、、 明、、明、 房を出たあとすぐ、 記憶から、中心から、、 覆いから、窓から、 凝縮から、 日々…

<1175>「線は燃える」

縦にのぼれ、、 物悲しい場、 過ぎてき‐過ぎてく予感にほぼ真暗なまま応え、 よう、 ひとりの場、 興奮した線は燃えている。 あちこちにまたちらちら立つ、 ちらちら見える、 そこに生きている。 そこにまだ生まれたばかりの姿で、、 他も何もあろう、他もあ…

<1174>「水色の現在に」

こいツァひとりでに現れ出でたような顔をしている。 来歴が知れない。 ほうり込まれたのだな。 ほうり込まれたのだな。 そうに違いないが、うんともヤとも言わない。 誰だろう、誰だろう。 水色の静かな服を着て、じっと時間のなかに経っている。 軽やかだな…

<1173>「微塵」

あなたが自然に生まれたのでないならば、 突然の歩行でないならば、 今 なんのためらいもなく揺れているのは、 ようけようけこぼれなすった。はい、どうぞ。 ここからやがて溢れるまま、 転がるままに、ね、ね、 どうですどうです、身を持ちました。 はい、…

<1172>「出鱈目な太陽の歩行」

あけの姿、 まだらに、、 似合わない衣服、 眺めている日 新しい色をした拘束、 どうした、 あんまりあけらかんとしていて方法がないか、 あんまり明るいので度を失っているのか、 ひとひのまだら、 何故だか知らないが、いらいらするほどに綺麗だ。 みだれ…

<1171>「一面の往復」

一艘 洋々、洋々、、 呼気の元で僅かに揺れている、、 老人、 ぷかり ぷかり 華やかな街を巡り、 人を訪ねるという、、 いいことでさあ、ねえ、わたしはこうして行ったり来たりしてまさ、どこへ行くったってそんな方向はねえですヨ、ホホ、 巡る、巡る、巡る…

<1170>「能一切、こぼれる」

量え 量え 打ち下ろす人の波が見えている。 一時(いっとき)揺れている。 人が揺れている。 骨を合わせ、骨を合わせ 相や 相や もの示し、もの示し どうん・・・ 別様、 千度立て、 千度立て、 能、能、一切。 一様、一様、 帆は隠る。 足だに 駆けぬ、足も…

<1169>「穂の朝へ」

明けろ 明けろ 明けたら穂が揺れる。 明けたら また改めて穂が揺れるだろう。 瞠目、静かな匂い。 僅かな時間、 新しい快哉のその、 とびきり美しい笑み、 とびきりたおやかな日の午後、、 ただ流れのなかに浮かび、 ただ一切が望郷で。 望郷のなかの一途、 …

<1168>「私は青い日をじっと見ています」

生々しい高さからちょっと下を覗いてみようかしら。 環状の道。 ゆくもの、、ゆくもの、ゆくもの。 覗いてみようかしら、、 みようかしら、 ほら、沸騰がゆくわ、、 あら、あら、 明日もなんなんと沸くのかしら、 よぉそれそれ、 そら、見た、見た、見た、 …

<1167>「節の中で」

冷たい音が陸を捉えている。 今や軽々と飛ぶものたちで、飛んでしまった。 時間の外の、僅かな木々が、揺れかかる。 枯れをそばにいれ、枯れをそばにいれ、 冷たい音はひたひたと進む、 誰かが触れていた、 無言で、うんとも、や、ともなく、 縫合した。 め…

<1166>「黄色い時間」

芯があらわれ、吹き出るように燃え、 しばらく眺めていました。 さあもっと渦を巻かなければならない。 もっと風を送らなければならない。 そうして口をアいたまま、街道沿いの建物の、いくらか上階の、窓辺に新しい火の粉の姿は、ぽつんとありました。 やが…

<1165>「青い生き物の一滴」

一滴が、ざわざわと、柔らかい香りのなかに落ちた。 暗い時間だった またしても落つ と思われて、いつまでも、一滴以上にはならない 完璧に停止と見える 妙な水色の生命 水色の液体につらりつられ、つられて揺れて 草食体は見ている 動植物体は見ている 青い…

<1164>「現実の中の眠り」

陽のない昼下がりに、 応えていたんです。 遠のき遠くの方へ、 ひとがひとりいたんです。 まだ自身の声を知らない、身体の不一致を知らない、ささやかな、招くような姿、、 ふらり、ふらと揺れ、、 お前さまのそばで綺麗に消え、 跡のつかぬ、、 招ぶとすぐ…

<1163>「お前は」

時々お前が静かに顔を出し、挨拶のひとつでも寄越すんじゃないかと思ってヒヤヒヤしていた。 でもまあ、そんなことはない。 そんなことはなかった。 いいか、よく考えろ、と人は言う。 な、そうだろ、よく考えろと言うんだ。 しかしな、よく考えることとお前…