<2940>「やさしい歌じゃないか、ねえ、」

 通る人々の声があった、、

 私にはホールがあった、、

 受けいれていく器、

 あなたには振動があった、

 あなたには声があった、、

 よくきこえている、、

 生命のために、

 あなたは振るえている、、

 あなたはこちらに存在の全てを渡している、、

 存在の下方から、

 こちらに声を振ってくる、、

 あたしは手で掴む、

 (あたしはビールを飲む)、、

 その場にいたこと、

 その場で振動粒の、

 ひとつやふたつを持ち帰ったこと、、

 

 私はどこに住み、

 何の仕事をして、、

 どうやって生きているか、

 一瞬分からなくなる、

 そんな空間に出ていたようですよ、、

 あなたの姿が、

 はっきりとここへ出てくる、、

 そんな場所にいたようなんですよ、、

 あたしは震えていた、、

 思いのいくらかが、

 自然にここらへんに流れてしまって、、

 あたしは新しい、、

 からだの膜を欲する、、

 やさしい時間、

 やさしい歌だったじゃないか、

 ねえ、、

 あなたの温度は、

 私には懐かしい、、

 しらない旅行先の、

 風のなかに私の気体と、

 液体を混ぜていく、、

 それで粒になり、

 それをいくらかなんのきなしに吸う人がいて、

 誰だかしらない人として、

 私を夢に見る、、

 

 私は夢に見られ、、

 いくらか身体の先に浮かんだあと、、

 あたしは相当数の存在に、

 いくらもまぎれていく、

 いくらもはじまっていく、、

 私はつとめ、、

 からだのなかにひとつひとつなおっていく、、

 きこえる?

 トーンが、、

 私は回転する、

 全てがリズムになる日、

 全てがリズムになる一日、、

 私は行く、、

<2939>「すみません水をください、話をきく姿勢」

 ね、

 知らない分、、

 あたしだけ、、

 あたしだけに、

 手を当てて、、

 (私は少し水を飲みます)、、

 そうすると、

 いずれ私はあなたと二人にならなければならない、

 ということだろうか、、

 そうです、

 そうだと思っていましたが、

 違うんですか、

 あなたは、

 そのつもりではないんですか、

 (すみません、お水をもう一杯ください)、、

 

 からだ水で充てる、、

 あたし目の玉まで、、

 なにか、

 汁で熱い、、

 私はどこに抱かれていたのだろうか、、

 私は透明な生き物ではないのですか、

 どこですか、

 え、

 あなたがたが静かに招んでください、、

 こちらの方へ、

 遠慮はいりませんから、

 いくつも、いくつも、、

 招んでくださいと、

 声を掛けられて、、

 あたしは存在ですか、、

 どこへでも浸透していく、

 やわらかい水でありたいと、、

 あなたは思っていましたか、、

 すみません、、

 ちょっと視線をやわらげていただいて、、

 あなたと楽しい話がしたい、、

 

 私は、

 二つが一つになると、

 いう話を、

 真剣にきかなければならなくなる瞬間を、

 本当言うといつもおそれています、、

 いちばん暗い記憶に、

 まっすぐに接続されるのじゃないかと思って、

 いつもおそれています、、

 ねえ、

 あなたちょっと、

 楽しい話はいいから、

 ちょっとそこに座って、

 真剣に、話をきいて、、

 私にはその瞬間が、

 どんな瞬間よりもこわい、、

 しかし汗をかきつつも、、

 話をきく姿勢は少しずつ作られています、

 本当に少しずつ・・・

<2938>「からだが破れる、声を迎えに来たよ」

 ねえ迎えにきたよ、

 そうか、そうか、ありがとう、、

 お前その水の、

 なかの子どもも、

 迎えに来たよ、、

 ああ、そうか、そうか、ありがとう、、

 あたしね、、

 この水のなかに入って、、

 少し飲んだの、

 そうして、

 少し吐いて、、

 またからだのなかに戻ったよ、、

 おお、そうか、、

 お前はそういうところから、、

 からだになってきたんだもんな、

 

 ねえ、

 胚胎したところから、

 全部見せてあげようか、

 ええ、、いや、いいよ、、

 いいよ、見て、、

 これ全部、

 あたしの膜なの、、

 膜から全部、

 身体からなにから、破れて、、

 全部見せてあげるね、、

 うん、

 (私は黙っていた)、、

 これが、、

 良いときの集まり、

 これが、

 悪いときの集まり、、

 ね、分かるでしょ?

 ああ、

 (私は分かった)

 (私は吐いていた)

 あんまりからだだの肌だの、

 新しいだの古いだのと、、

 あなた、あんまりそうやって、

 言わないでおいてね、、

 うん、

 これからだの包帯の、、

 なかの、

 少し赤く湿ってるところがあるでしょ、

 うん、

 ね、少し、少し覗いて、、

 

 あたしは自分の振動数だけになって、

 この場所を、

 そっくり私にきかせて、

 新しく、

 生まれるつもりのものですけれども、

 いいですか、

 声をいくつかきいてください、、

 あなたの肌を見れば分かりますよ、

 ねえ、

 声をいくつか・・・

<2937>「目覚めることはどこかに戸惑いが」

 あたしは徐々にそれ、

 人の形、

 理想とするふるまい、

 病の形、、

 それぞれの声の始まり、、

 生きている形、、

 声などいくらにも響いて、

 私は続く、

 続くことがこの日、

 この一日を、、

 私のなかに流す、、

 私は映像の人、

 映像の日時となる、、

 次から次へと、、

 まわってはよろこぶ、、

 ここの映像の人に、

 

 私には用意されたからだ、、

 私には遠く離れる願い、

 自己、、

 これは労働、、

 これは世界への集中、、

 これは僅かな態度、

 ものを迎える、、

 ものがよく染み出す、、

 ものがやや勢いよく動き出す、、

 あたしにはそれぞれの、、

 それぞれのからだのはじまりかた、、

 それぞれの時刻の動きかた、

 あたしははてをしらず、

 夢中を知らず、、

 霧のなかの匂い、

 霧のなかのなまあたたかさ、、

 あなた少し横になって、

 うん、

 しばらく横になっていた、、

 どこからともなく、

 私の生命線がこの脇腹や、

 背の辺りを通過する、、

 めざめる、、

 めざめることはどこかにとまどいが、

 

 あたしはそっとからだをなげ、、

 あなたにしか見えていないものを、

 ここで、

 ゆっくりと確かめている、、

 ゆっくりとうごける、、

 あたしにはものの領域の、

 古い皮を剥いだ辺りに始まる、、

 霧の生まれる姿を、

 まともにみている、、

 こんなものを長時間まともに見ている、、

 お前は誰だという問いも、

 当然のごとく忘れて、

 私は内部にいる、

 私はこの内部にいる・・・

<2936>「粘液に合わせる」

 あなたがこの時間に口にする、

 その粘りは、、

 あなたが、

 無音の空間に出て、

 たったひとりで、

 からだを、

 思うところへ一致させていく時間、、

 あたしも、粘り、、

 あたしがどこにいるのか、

 まったく分からなくなるまで、、

 ここに居、、

 ここで身体をつくる、、

 

 きちんと、走るには、やはり、

 これぐらいの身体の軽さ、、

 これぐらいの回転、、

 あたしは、少しずつ、、

 現実の、感触が変わっていく、

 その場所を、見ていた、、

 あたしは、

 順番に身体になってきた、、

 あなたの、

 あなただけの身体の波がある、

 波にもモードがある、、

 私はそれに合わせにいく、

 マジカルな仕方かも、

 それはひとつの感覚の、

 延長の、、

 あたしの作法のことかもしれない、

 ただ、

 この空間に混ざっていくこと、、

 あたしをからだからつくり、

 その先へ、

 ひとつひとつ転がして、

 あなたを作っていくこと、、

 あなたは速かったり、

 遅かったりしない、、

 ただ、

 回転が言うことをききはじめただけ、、

 あなたは眠りでもない、

 目覚めでもない、、

 ただ、

 身体の方向に存在する風があるだけ、、

 

 それを見ている、、

 まったく、

 これが分かっても、

 何も分からないということは、なにだろうと、

 ひとはひとつの疑問を発出し、、

 からだをちがえ、、

 しかしからだからはなれることを無意味とも決めず、

 連絡が、

 取れたり取れなかったりする、、

 あたしは語らいのそばにでる、

 だめなものも、

 良いものも全て出て、、

 あたりまえに漏れていく・・・

<2935>「集まります、見つめます、真剣です」

 まだあなたの姿では足りない、

 まだ、

 あなたにはからだの運動が足りない、

 生きている、、

 しらないあいだに、

 私には複数の時間が積もり、

 それらはすべて生きていますよ、

 私はただ歩いていただけです、

 ものが集まります、

 人が集まります、、

 からだが集まります、

 時刻が集まります、

 ふるえています、、

 今このように過ごすこと、、

 あたしにはいくつもの骨、

 あたしにはいくつもの領土、

 水と骨、、

 水のなかで遊ぶ生、、

 みんな、

 集まってください、、

 

 なかに内自、、

 なかに時計、、

 あたしは水を振るい、、

 からだのいくつもの平面で、

 波紋を作る、、

 その水の紋様で生きます、

 あたしの声が、

 あたしの空気が、

 あたしの感慨が、、

 どこへどこへも届きます、

 眠ります、

 収めます、、

 新しくなってきます、、

 新しくはじけてきます、、

 からだの層にたまる、、

 あなたがたの表情や声を、、

 私は見つめます、、

 からだを見つめます、

 時間を見つめます、

 風の姿勢を見つめます、

 生きてます、

 生きています、、

 ねえ、

 あなたは真剣です、、

 

 あなたは表情が、とけて、

 私は見捨てない、、

 私は拾いに行く、

 なぜなら私は真剣だからです、、

 ここには私がいます、

 私は真剣です、、

 わたしは楽しいが、

 楽しいだけではない、

 責任があります、

 生に対して・・・

<2934>「管がある、記憶がつながる」

 あまりに簡単に、

 からだがひらいてしまう世界で、

 ひとつのさびしさとともに、、

 あたしは、

 ただの空間を行く、

 ただ行く、、

 私はまだひそかに、

 からだに集まっているけれど、

 私は声を、

 順番にきいたままで、、

 それぞれの景色の延長へ、

 それぞれの物事に、

 はっきりと当たりながら、、

 からだがうまく集まれる、、

 

 あたしからして、、

 ただつながっているだけで、

 管から、

 あなたの生活や、

 記憶にかかわるところが、

 随時、

 育っているのを見ます、、

 それはなかに入り、

 しらない記憶の形をして、

 しばらくとどまります、、

 しばらく透明になります、、

 それはよく揉まれ、、

 ひとつの熱の姿になったあと、

 あたしの肌に落ち、

 よく記憶になります、、

 あとどれくらい、

 これは記憶になるだろうか、、

 あたしは外へ走ります、、

 記憶は後景にしりぞいて、、

 あたしは、

 この辺りとひとつの姿になり、、

 しずかに動きます、、

 しずかに流れています、、

 ええ、ただ、、

 身も葉も青い、

 全ての景観に、

 内自、あたしは育ちます、、

 

 おまえがここに存在すると決めたこと、、

 存在からこたえが返ってくること、

 あたしから先へ来ること、、

 どれも、、

 ひとつの記憶のなかで、

 穏やかにはじまることだ、、

 だれかの手のなかに、

 すすんではじまることなんだ、、

 ながれがふえるまま、、

 からだがはいかいするまま、、

 あたしの身体の粒が吐かれて、、

 しらない土地に、

 記憶を生むまで・・・