2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

<835>「かれいどの花を携えて」

かれいどの花を携えて 不明の前に立て 振るえがあなたの身体(しんたい)の欠片を訪ねる 不明管のなかに 不都合な湯気として控えるとき お前は見ている お前は泥の祈りを見ている かずえひらいた このあとさきの手じるしの道 ランキング参加中言葉を紡ぐ人た…

<834>「土の線との折り合い」

土くれとの丁寧な、あるいは爆発的折り合いについて、私は寝そべるまでもなく考えていた。考えは美学をからかい、また、抽象的な基準の上に立って回転し、ざわざわとした感情のなかでひとりの子どもを見つけ、ただその場で見つめ合うということが起きた。私…

<833>「無をどり」

真昼のからんとした顔。日常の小さなヘコみによくぞ紛れ込んでいる。そしてア音、イ音。倍々の行方のなかで意味。 貝の中でザギザギする・・・。 頭のなかは効果人(びと)たる無音の成就。無音の湯加減。無音室生成法売買。倍加する人(びと)。ひと、ぴと…

<832>「袋から垂れて歩く」

水の中、でリズム的な感心。全てはくぐもり、全ては非‐言語的。 全ては非‐言語的(de)。 そのたくわえ、挑発、無‐む‐意識の補給。補給路のきらめき、補給路のてらてらした・・・。 元来この、陰(かげ)の、非‐視覚の、くぐもった言葉。たくみな音声の押し寄…

<831>「帯び、帯び」

裸足であること。あなたの話は難しい。決まり。数えたもの帯び、声を帯び、声ひからびて落つ。のちに、靴が暮れに暮れた、へなへなの皮。小石。 おぞけのなかへひとりの感想を差し、たくらみとともにひしゃげた。かの空中感想はそしてひとり歩く。 あたしは…

<830>「スープは待った」

スープ。スープは待った(何を?)。待ち合わせの騒乱。場としてのうごめき、混乱のリズム的(de)酩酊。 ドゥイブチィ。 たった一滴。それも、調味料以前。裏切りはいつも笑顔であり。それからたった一点、点に視線。見事らしさ。あなたには開示、あなたに…

<829>「煙のなかそと」

六度目の語り。あなたは口の外(そと)。あなた語るほかないとこころえ、ままよとまぶすひともの。 二日目の朝。私は訳もなくここへ長くいるのだと思う。しかしその外(そと)をゆく人々の震動が、今朝の台所の考えを逸らす。 おらばよい。おらば漏る。もの…

<828>「音と匙」

くり抜かれた欲望のなかに、たじろいで待つ。誰がこの根(音)を嫌ったろう。 あたしはあたしのなかの屈辱を不思議そうな目をして見つめている。 見知らぬ人々の声が空洞のなかで響き、ぼんやりとした、残留物の、それを知らず呼吸する。 本当は、この場面に…

<827>「汽車が見える日へ」

たれかしらかざす声の下(シタ)へひとも知れず潜りこんでいる、その、軽やかな立ち方。 あたしは何に於いて・・・。 ひとくちのパン。記憶のなかに浮かぶ船。照明は等しく揺れている。 電車のアナウンス。風景は行き先を匂う。語らいのなかの唸りをゆく。ひ…

<826>「白と緑の日」

私のなかを緑色の直観が走る。資材も溶ける。人間も溶ける。私の生の長さと歩調を合わせるのではいけない。千年、万年単位で建ち続けなければならない。私は建物が欲しい訳ではない。つど死ぬつど死ぬ、それがまた、ひとかけらの木、その節(ふし)、小さな…

<825>「釜の時刻が起き」

以前のならえ、がまた、ならえの響きとなるとき。 スタジアムの真んまんなかほど 新たな呼吸を、只今張りつけているときの、静かな暮らし。 私はここに現れる、そして、過去は大音響に引っ張られてゆくであろうことの、消えない混乱、なかの溜め息。 例えば…

<824>「ひとひと無量の声帯」

層・・・。段階、と、記憶、にもならない厚さ。無量の繋がり。とがった、また私の、知らない声が、増えて、各々の故郷、を求めている、ように見える。 ただひとりの語りべ。場所、小さく私の腰に、手を添える。譲られぬ、その幕あい、あいだに眠る数々の部品…

<823>「手の中の熱帯」

かずえ歌は続く。それはぼうとした、夜(よ)の入(い)り。 まるでお互いの意識は、寂しく融け、方向性のない、剥き出しの音へ、全神経を集中している。 ひとおつ、ふたあつ。 飾り、必然性の匂い。暗やんであなたの恐怖に似た手、が、明かりの下で、ちらち…

<822>「黒い声」

渦巻きの絶えた、その指のあとさき。 無量ににじみ、無量に狂い、露(つゆ)はけどられぬ。 僅かに感情が、遅れずれ出てくるのを、棒立ちで見つめる。 たゆまぬ目。たゆまぬ目の先に移ろう、ひとかげりのカラス。 カラスは単調を拒否した。 そこで、複数の声…

<821>「うろは戸惑う」

ひびの根の間(マ)。あつらえた長い日。 傍らにかけてゆふめいな、あの白々しい大きな明かり。 俺はそこから飛び去った。 俺の意識は黒々とした平らな地面に伏せていて、僅かな音を立てその水を挟む。 てらてらと光り、滴る、甘美な幹のその一枚内側。語り…

<820>「名詞を呼吸する火」

火はかぶれた。 私の頭のなかで火がかぶれていた。 時々めいてよくぞその笑み、妖しい日差し。 あなたの微笑みの程度に応じて、かぶれる火、とその中。 くるぶしの叫び、それに似た道。一度も繋がらない大宇宙的な呼吸を絡める。 例えるに音。それも微細な心…

<819>「関心」

無関心な人たちがこんなに沢山いるせいで・・・。 これは一番言ってはいけない言葉なのではないか・・・。 「ねえ、あの人見て、ホラ、左手がないよ」 「ああ、そうですね・・・」 関心や無関心、差別の問題は、出来れば考えずに済ませたい。理想を掲げざる…

<818>「ティータイムは歌だから」

あびしび:やあ。 まつらい:ね。 あびしび:嘘みたいでしょ。 まつらい:何が。 あびしび:不明。 まつらい:不明って何。 あびしび:嘘みたいでしょってのよ。 まつらい:だから何が。 あびしび:不明瞭。 まつらい:不明瞭じゃないんですよ。大体あーたね…

<817>「正午の染み」

正午の染み。 雑然と拡がる。 今、私は交換する。 局所的、それは水。 正午の染み。 すべらかに名のる。 過去、私はことづける。 感情的、それは水。 奥の根の名前。限りなく何度も顕はれて、そこの大概の日と、優しく分かれてゆくことで。 ジャガラガラガジ…

<816>「今生の燃える手つき」

いびつな色は去る。 今、個ら、さいわいに積み上がり、うずたかく燃えている。 あなたは激しい色彩の傍らで暖を取れ。 火箸を無遠慮に、はらなかへ探る。新しい粉と粉、まで。 私は例えば重さではない。 とした・・・。 身を締めたこと、あくまでその揺らぎ…

<815>「道を剥いたところにある熱の呆れ」

過去が鳴る。あたしが、おろそか、を分けたア(お)と・・・。 過去、そのおろそか。渦を縫って走る・・・。 謎、それ自体、人より、分かりやすく、またその、さらわれ方は・・・。 昨日、きのう、きのう。 よそへ、ただ、そのひとつ、顔の曇り、と、おいし…

<814>「雨期の泥と片目」

私の頭を割って、ここへぬめり出てくれ。ここはおそらく質的変化の、突然の煮くずれ、の塊。 人が試しに駆け込むところ。 ボーッとしたのそれぞれで、頭は増えて。 まさか、あなたが陶然と、またこの頃と言うときの。 雨期に、あなたは表情を合わせる。 あな…

<813>「歴史はあなたの皮膚をまとう」

所、とともに、忙しなく動き回る物柄。 形を食べたあとで、約束と、機会と、心がけのほころばしさ。 軽い。軽い。 跳ね際に、私が見失ったもの。私は一枚先の皮をまとうた。見慣れた風景はなく、戻るという言葉はない。 例えば、訳のない響き 頭のてっぺんを…

<812>「皮膚の端、言葉の端」

あなたが皮膚の年を生きた、として・・・。 それは、きれい。 それぞれに生きた年があるとして、だが・・・。 明らかに前に、私を生きて、剥がれたが故に、嘘も壊れて、暇があれば泣いている。嘘がくれば泣いている。 途中に、掘り、めでたい格好からはいざ…

<811>「朗読」

僅かにアいた口から小さな音の、連続(と)して漏れるとき。 私には点と、丸の、その間の息継ぎばかりが触れてくる。 私には、呼吸を間違った、という感じがあった。点と丸ばかりが文章であった。間にあるその文字は何であろう。例えば、飾りと、言えば言え…

<810>「水のなかで、夢は透明になる」

人間がひとりで夢を見ていた。 僕は願望を見ていたのではない。 苦痛をそこで消化したのでもない。 懐かしさにかまけていたのでもない。 誰か。 何故か。 ひとりの人間に対して、経験は多すぎる。 私は夢に溢れた。 私は無意識にあぶれた。 あの人は30年間…

<809>「よだれという惑い」

口が、おそらく、アいた。 ただし、私は記号と、感情と、惑いが混ざりつつ、押し合いつつ、遠慮しつつ、ハタからこぼれてゆくのを見た。それはまた、考え難いよだれでもあった。 よだれには名前がない。よだれとして毎秒々々流れ続けるものに決まった名前は…

<808>「行動の甘い香り、存在の汗」

私には存在が速い。それはいつになく上機嫌で、小さな箱の中で鳴いている。 身体に、なるほど激しく、私の名が迫っている。潤いながら揺れをなす。揺れはただ各々の行動を見つめていた。 行動からは甘い香りがする。行動は爽やかな風を受けた。行動は不思議…

<807>「蠕動運動の若さ」

見間違いの、あたしのなかの、言葉とひと振り。 よくよく考えて、隠れてくれるので、ここいらとそこそこの。 なごやかさは転んだ。ひとつひとつ、を、摘み、私に渡す、と、低い、低い、完全な声。 言うことは不思議だ。眺めのなかに、水筒。また混ぜられて、…

<806>「物語に蹴られた」

あなたに会うとき、ゴボゴボと音のする。 音から見たあなたに憧れ。 それは空気、空気の騒乱、空気の別れ。 期待と同程度、期待と同程度の微笑み。 あなたには似合う。全体として、いつも顔の。 意味もなく上を見、ひとりごとを呟く。考える時間に入る、ちょ…