<2427>「何のだかが定かではない巻頭言/現時点では謎として提出するよりほかないもの」

 明確な論理、納得できる思考の筋道を示すのではなく、

「これはもう既に決まったことだから」

という形で、既成事実を作り上げる呪的な作法に対し、正確に、論理的に批判を行っている人々を見るときの物足りなさ、じれったさみたいなものはどこから来るのか。

 それは、もっと正確に、もっと論理的に、もっと力強く、というじれったさではない。

 そのような方法では決して解呪にいたることはないのにな、という類のじれったさだ。

 無効であるゆえ、その批判が誠実で正確であればあるほど切なくなる。

 

 私はだから、既成事実の呪的な立ち上げに対し、その解呪の方法は存在するのか。存在するのならば歴史的にどのように行われ、効果を発揮してきたかを知りたい。

 また、そんな方法はないのであれば、既成事実の呪的な立ち上がりに対して、またこちらからべたりと新たな呪的立ち上げを行い、それを塗り替える方法を知りたいと思っているのだ。