<1938>「私は声を吸う」

 表情の線が空きましたね、

 過去をたうい、

 まつりごとのなかにも今の姿が、

 あたしはこれは火だ、

 火が翳り、

 私はそのざわ、と一音立つ場所へ居ました、、

 存在をまっすぐに掴み、

 きもちで振るえて、、

 今そのひとつの印のなかに居ました、、

 いまそこにひとつの声をかけて、

 育つということがあり、

 あ、あたりまえにふやけて増えてきたな、、

 いたづらにものびて、

 私はどこから声を差し込んだものか、、

 考えているの、

 考えて浮かんでいるの、

 

 さて静かにめくりあげたもののなかに、

 幾分か溶けたものを掬い、

 これは内側の映像だ、、

 内側だからこんなに溶けているのでしょうか、、

 あなたはそんなに大きな姿をして、、

 私が液のひとつになれば、

 どうしたって入っていけると思いますか、、

 さてでは身体を当たり前にしようかしら、

 響きも続こう、

 あたしはこのなかで眠るとは思うのか、、

 、、

 、水が止んだ、

 あたしの呼吸のなかを踊れ、、

 今という人達、

 その場所で軽くなり、こぼれて、、

 浮き上がれ、、

 その先へ、その方途のえいの続きへ、、

 なにかあなたは、

 一量でどこまでも出てしまおうとする、、

 身体の先へ、温度を垂らせ、

 今はその映像のなかに生きる人となる、、

 今はその香のなかを掴む人となる、、

 

 焼けて、、

 かるくなり、現在に、音響を持つものの、、

 声を、私は、吸う、、

 私はここに響く声を吸う、、

 頭のうらへ熱気があたる、、

 私はもう、こぼれている、、

 はれたはれた、、

 この無際限の場所はどこだ、、

 どこから入っていた、

 どこからこの無際限の場所に抜けてきた、、

 私は音の一層、二層、

 三層に、、

 それぞれの撫で方を見た、、

 ここは、はてか、、

 はてから吹く風が溜まるところか、、

 妙にあたたかいところ・・・