<1953>「根の赤い染み」

 ほどけていたな、、

 周囲で、

 えらく、声のはじく、

 私は種の後をつけていた、、

 いたく呼吸の絡まるところから、

 ひとりで、漏れて、出たのだ、、

 わたしはその円の手合いに触れ、、

 久しく触れていなかったものに触れえた、人間の手つきで、

 ここへ、挨拶をした、

 いちいちその物事が見えて、 

 私はその他の声というのかな、

 まるで溶けようとしない存在の揺れのように、

 あなたを掴まえようとしていた、

 分かるだろう、あなたが、、

 内側に回転する人を、

 根底に触れると思い、

 おそれる姿が、

 私が生まれてからの中心なのではないかと、、

 

 ひどくあたたかい空間が、

 ぼうぼうとしたものが、、

 ここらを巡る、それを、、ただ一心に、

 見つめている、

 嗅ぐ、、

 私はここで光る、、

 隅々まで、光り、

 ああ、焚いたな、、

 なにかこれはおそろしい液の、、

 日常の温度に触れて、

 つめたくかたまったものだという、、

 私はそれにみずからさわる、、

 あ、なにともない、

 普通の身体じゃないか、

 こんな、あたりまえに見えるものが、

 液を、何度も折り畳んだものだなんて、

 そんな話を、

 どうやってきいたらいい、、

 私は線の上で振るえて、光りました、、

 まったく振動から、ひといき、、

 私は過去です、、

 あなたがたも過去です、、

 残存物に、息を通しましょう、、

 という声の、根の染み、、

 

 私は赤く、揺れて、沈みました、

 その行為というべきかは、、

 あたりまえに、

 日常静かな線と付き合いを持ち、、

 今にただ漏れています、

 かたりと音を立ててそこに置かれたら、また、、

 なかにはいれよ、

 なかはお前の声が延々する、、

 私は泣いていた、、

 泣いているときに、人間が泣いているとはなんとも変なものだ、という感慨を、

 抱かないことはない、ここはまた冷えて、かたまり、振るえはじめる、、