<3178>「『プラダを着た悪魔』」

 アマプラにて。

eiga.com

 

 好きなシーンがある。

 

 主人公が、ふたつのベルトの細かな違いで悩んでいるボスやスタッフを、鼻で笑うシーンだ。

 

 それに対し、ボスは、自分たちがファッションの歴史を背負い、そして、ファッションの今を作っている矜持を、怒りを抑えながら、冷静に、主人公に向けて伝えるのだ。

 

 あなたはファッションに興味がないだけではない。

 

 自分が普段まとっているものに対する歴史を、その歴史を動かしているのが誰なのかを、つまり、全てを知らないのだと。

 

 そういう、自分の格好などどうでもいいと思っている人間のところに、どうでもいいものとして扱われることとなった服が、皮肉にもちゃんと届いてしまうのだと、主人公の来ている服を実例に挙げながら説明するボスの気迫。

 

 正直私はこのシーンを観れただけで幸せだった。

 

 それと同時に、自分がどのような格好をするのかについて、意識を巡らそう、すぐには格好良くならないだろうけれど、格好良くなるという方向性だけはずっと持っていようという意識が芽生えた。

 

 私はどうも激しい生き方が好きなようである。