鳥はどこへふる。
あなたは緑色になって訊ねた。
小さく渦のなかに、濁って鳴るもの、かねてより掬うひと。
水面は恥じらい。あなたの頬が映る。
あなたは掬う、静かに染み、軽々と放たれていった。
ひとはいつか、はばたきの予感のなかに眠っていた。
徐々に湧く、またサッ・・・と払う、音(おと)はついに掴めないところへ・・・、乱れた足並み。
余計に呼吸をし、ひとりで照れている。
およそ知らないものの眼に、ひとり、輪(ワ)として映ること。
胴間声のすぐそば、音(おと)、音(おと)を跨いでゆきさる・・・、ひとの指が透明にたわむれる。
僅かな匂いは、たとえばただの飛翔。たとえばただの白昼夢。
けはいのそばを離れ、ひとりで踊る、ふたりは踊る。
ものが、ほんの一瞬、揃ってこちらを眺めている。
おぼえずしれずわたしは軽さだった。ただ壊れてしまうという表現の、ある意味ではあたらない・・・。
ふざけた雲と時を同じくし、飛び交う子、飛び交う子ら、のゥ朝・・・。
ふるとふる、接近としゃがみ込み、触れたと過ぎた、またはたらくは、晴れる。そこは水、そこはかとない水、そこはかつてない水・・・。
ためらいのときのハ、音(おと)がわたしの頭をさっと掠む。