2019-05-14から1日間の記事一覧

<944>「僅かな匂いは、例えばただの白昼夢」

鳥はどこへふる。 あなたは緑色になって訊ねた。 小さく渦のなかに、濁って鳴るもの、かねてより掬うひと。 水面は恥じらい。あなたの頬が映る。 あなたは掬う、静かに染み、軽々と放たれていった。 ひとはいつか、はばたきの予感のなかに眠っていた。 徐々…