その場にひとりでよろめいて。
かけた言葉は外を過ぐ。
香りをひと跳び、ふた跳びすると、巡る、巡る、それはいつか、あなたの記憶か。
真黒。外は真黒。
あなたの記憶の横、花はふる。
あなたの手を音(おと)もなく過ぎて。
見える、ひとは互いの歌に乗る。
離れ、離れ、離れ・・・。
めざましい、のと、ふたりは会話音(おん)、ぼゥとする明かり、ぼゥとする明かりにしばらくする。
おの、おの、は軽口・・・。
ひと、ひと、は触れない。あなたが歌を終えた。
からだがまたひとりで白くなっている。
からだがまたひとりの白さのなかにわたしをゥ・・・、おさめ、かくなるうえは、ひと、たいら、熱くなる。
触れえた、触れえた。
温度。曖昧な、あたしたちの触れ方。
しばらくは葉、名指され、その場を少し、揺れる淀むひらく・・・。
なんら、切り貼りのない、あなたの跳躍を、時間のうち、そとに出でて眺む。
身(ミ)はいつからかまた動いていた。
その道の先にあなたの手の握るのが見えた・・・。