<2876>「しずかな水面時間」

 赤い肉の、

 何重にも何重にも剥けた先、、

 あたしが通る、、

 ここはひたすら太く、、

 あたしが通っていること、、

 それひとつ自体は、

 なにが招ぶか、

 誰が招ぶか、分からない、、

 それでも、

 駆けて、駆けて、駆けてゆくと、、

 しらずに身体が盛り上がっていて、

 私はやや生まれ直す、、

 

 このしずかな形にも、、

 しずかにはまり、

 育っていくばかりのものを抱えて、、

 私はいる、

 私は真正面にいる、

 時間で存在が変わっていく、

 いくつもの、網を張り、

 ポイントに、印をつけ、、

 そこへはまるもの、

 はまるものつぎからつぎから、

 といていく、、

 あいだに印がある、

 私は歩ける、

 方向を持つ、

 方向を生む、、

 一息ついている時間、、

 それは、

 あればいい、、

 私は軽く走っている、、

 時間に近づきながら、

 あなたのそばを、走っていく、、

 からだから熱が生まれる、、

 一日は長い、

 一日で全ては起きている、、

 緊張する、

 それぞれに、網を張る、、

 しずかな水面へ、

 あたしは目を向けている、、

 

 まわりの人々が、

 冗談を言って笑っている、、

 あとで緊張しなければいけないのに、

 なぜ、

 と小さく思っていた私は、

 冗談を受けて笑うようになっている、

 時間がそうさせている、、

 そして、

 緊張した生のあいまには、

 こうした一息つく時間が必要なのだと、、

 からだでもって、

 よく確かめられるようになっている、、

 今はここだ、、

 あたしはしずかな水面のそれ・・・