<1550>「駆けて膨れる」

 その端に潜行する、

 どうしたって出てくるのには違いないのだがな、、

 どうしたって潜行するのだ、、

 身体が、一番の膨らまりを見せるところまで来ている、、

 ぶくぶくと来ている、、

 ああ、そうなのかと、この端へ向けて歌っている、

 歌いながら生まれている、、

 生まれているものの先を、静かに見つめている、、

 

 駆けて駆けている、、

 (あ、たらたらと、、身体の厚みのなかで、熱がたれてきていて、それを、慎重に摑まえるさまが見えているぞ)、、

 ものに向かい声を掛けた、、

 私は破裂をすると思った、

 ところが、膨らんで、そういうことではない、

 ところが、生きていて、そういうことではない、、

 破裂もうちに静かに含まれていく、

 私を掛けている、、

 その肌の中へ、まともに掛けていく、、

 掛け合おうか、どうか、、

 胴中は震えて、

 隅々までこれは巡りの集合なるものであること、

 をとくと確認したのだ、、

 ここにあれば等しく湧いていくぞ、

 湧いて、湧いて、めくれたんだ、、

 放心をそこへ据えおこう、

 放心を、、

 私にはただ漂う時間があるように思われた、

 それで、私もただ漂うてみて、しかしてのち刻印する、、

 (あ、ああそうやって肌へやら、、なにへやら、あたりまえに軌跡の、紋様やらなにやらを渡す、姿が見えているね)、

 刻みつけられたものの上を音になって踊る、

 一音になって行き交うのは愉快ですよね、、

 愉快な日、愉快な音響の日の振舞い、

 私の視線の先、、

 身体の先、

 

 ぼうぼうと立てぼうぼうとめくりなさいませ、 

 あたしは一枚紙ではありませんが、

 あたしは一枚紙の時間を持っているのでした、、

 不明の日、

 不明の人もここへ紛れようとして、、

 上手く紛れてくれました、

 ああ静かな身体の表面になって、

 ここへ立っているのじゃないの、、

 分からないものも上手く含まして、

 したたら、たれ、、あたたかいもの、

 を、ひとつの言葉だとして、渡して、掛けていた、、

 どうやら身体の一枚一枚に、僅かずつ掛かっているらしいのを、頻りに噛み含み、

 あたしは揺ら揺らとする日の響きのなかを、こうして、まともに立っていられると思うのでした、、

 しかして表情はアいていました、、

 ものさま、もの、速度を持ち、はげしく駆けるだろうこと、、

 身体の予感を込めた日の、中に、、

 僅かながら住んでみようとすること、その日に、中に、、