<1533>「一枚火」

 ははあ、なるほど、いちまい、にまい、とそこへ噛み合わせて、いた、、

 こうすると、僅かに響きが変わるんです、と、

 あたりまえの姿で言いたげな、、

 、、

 ひとつの向かうところ、生まれて、ひとつ向かうところ、、

 を、じっと見詰める、

 じっと見詰めていましたから、それが、なにか、、

 だんだんに、分からなくなってくるものさ、

 と、ひとこと声を掛けました、、

 ひとこと声を掛けたらば、、

 まるで芯からそこへ映ったようでした、、

 

 私は、たぶん深いところで知っているものごとがあり、、

 しかし、それに向かうために、

 いちまい、にまいと、いぜんかませているのだとおもいました、、

 そのものごとがでんと奥へあるとは思われないものですが、、

 たしかにこつんこつんという響きの足し方、、

 その連続、噛ませる、音の向きの変え方によって、、

 なにとはいえず生じるもの、、

 ずらりと一面に並べてみたら良さそうですが、、

 が、変わっていくのを肌で感じているのです、、

 

 糸なのか、、場に入り、、そこで、遊んでいるということなのか、、

 いくまいいくまいもを、ここへ渡して来、

 渡されて来ました、、

 渡されて来たらそこへ一生をかけて映っている、、

 その気の遠くなる燃焼にふだんの身体で付き合っているのでした、、

 ふだんはここから熱を渡してくるのだったな、、

 と、

 あたりまえのこと? これは招び声ですか、どうか、、

 いまいち決しかねているようなところはありますが、

 あ、順番に、順番にほててきた、、

 その響きのなかへ、順番に、ほててきたのだった、、

 あたしがその肌でもって見つめる景は、、

 どんな熱量も上手く迎えるだけの備え、構えを持っているように、ここからは見受けられる、、

 それで、一切の景を担当しているということ、なのかと思いました、、

 ああ上手く照らされてくるのじゃないの、、

 あたしは通いの、、

 実に静かにしんとしたのを、、

 たくわえようとはせでも、ほんとうにあたりまえに、受け取っているのだな、と感じているのでした、、

 その肌で過ごしたのだった、、

 あかあかと燃えていたところを上手くここいらから内へ、運んでゆきました、、

 あれ、見たい、、

 私がちょうどいちごんいちごんを重ねていって、すうと色濃く、しかしまともに軽く黙って立っているところ、、

 それはどんな風量もあたりまえに受けて立っています、、

 ような、

 響きのさなかに、、

 いて、

 またもやいちまいび、ぼぼ、ぼうと燃え立ちます・・・、