<1532>「風を受ける中間体」

 ほとんどそのはげしくなったうたいの最中に、

 あたりまえに手をし、あたりまえにはげしくうたいこむ、

 ことが、ここにも見えましたよ、

 ここに見えていたらなにかその はだの様子が、すっかりあたたかくなってきました、、

 あたしの手の先にあるかなきかというところで、振れる、、

 ひとつの信号が、、

 ひとつの信号が振れきっている、、

 この手の中ですか?、じんと振れましたような、

 えがたいさまで、真っすぐに立っていられたんだった、、

 やはりそのままうまく光っていたからだと思います、

 

 うまく身体からなにからからふいと抜けて、、

 見ている景の裏で、、

 それはそれは音もなくひらき、ひらきはじめたままで、

 生きている、

 生きていると遠くからたちまちに声が聞こえて、

 たちまちに去ります、、

 これも景の裏なのでしょうか、、

 あとにはじゅうぶんに光ったものたちが残り、、

 そのなかを手をかいてまわったのだ、、

 

 わたし、特別に、そのままのさまでいられましたとは、思わない、

 呼吸の、ひとつひとつという、区切りも、見えてこない、

 ひとつの、中間体、、

 風を受けているひとつの中間体になってその日夜のなかへずるずると染み込んでましたから、、

 身体だってほててきてずるずると染みていましたから、、

 ははあ、ぞんぶんに浸かり切って、とうとう取り出した、また、なんと、かわいた姿の、色濃く、身の軽いことよ、、

 

 私は目が覚めていました、、

 ここは、景の裏? はたして?

 なんどという話もありましたね、、

 その先にもいくつもの光があって、、

 順に順に肌の上を通過していく場面に、

 黙って立ち会っていました、、

 これから透いて透いてよく見えるだろうと、

 あたりまえに思うけれど、、

 全身これ明らか、という、風の含みには、

 ならないような気がしていました、、

 

 身が、そうか、方向へ、、

 はげしい音を立てて沈みこみながらこのなかで、、

 どことなく漂わせてあらたな色の最中へ、

 緩慢に紛れていくけれども、、

 これから、また独自で回転をし、

 独自でかわいたところへ、、

 あらわれる、色の流れ、、

 軽々としてつまっていく内容物の、

 姿を見留めるには、、

 ここで素直に身体を動かしている必要がありますな、、

 ね、ね、

 はたしてそうではないでしょうか、、

 はたしてそういう響きのなかに今もあるのではないでしょうか、、  

 と、ひとりのオンジョウがまたプウルのなかへ漏れ出した、