<673>「時刻の肌に付き」

 親密なもの、それは、中心だと信じさせるもの、主要なものと考えさせ、疑わせないもの。ありふれたものの連続のなかではじけて点滅するもの。目で追えないぐらい、の速さから落ち着いて落ち着いて、今、この場に静かであるより仕方がないもの、というところ、一度も現れないようでいて、時刻と、いうもの頻繁になり、ちょうど考え事を中断した人から順番に、遠くの音が見える。空間に触れている。

「一体、これは何が目的なのか」

というのがまるで分からないところにそれぞれ寛ぎを見出し、どうでも良い言葉の数々が正しくいやらしい。それは実際のうるおいと、また別のものであっても馬鹿々々しいからひとごとと微笑む。ここに、少しずつ新しいことが加わっていて、素直に驚き、また、大袈裟にふざけてみるが、やはり長々と懐かしさのなかで動いていく。

「あれ、今何時?」

と・・・。