2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

<962>「あとの涙」

ただなくす 名をなくす あなた名前で呼ぶな、 そとがお、 うちがお、 陽気なふるい、、 色(イロ)を見る、 長い、長い、 あらはれた、、 語られた、 なぜか、、染みて、、ことが問え、得(う)ば、あらたな、 まどい、 結える、結える、 あたらしく棲む、 …

<961>「あなたの喉が記憶の役目をすること、」

夕枯(ゆふが)れ、 きりのない、、 あるいは街路の自然から、、 のちの呼気の湧き出す、 ただ慰めに追いかけた一言(ひとこと)の、ただ潤(うるお)はす、 はずれて、、 からの息のなか、、 あなたを見つめる、 あなたが弾む、 ひとの一切、、 隠れたえく…

<960>「遺骨の夢」

お葬式の在る風景を おひーさんがいつもより緩やかにゆく きゃらあ きゃらあ ぼだい ぼうだい ぼだいおん おんおん ま、さらさら あたしは遺骨 ただの温度と隣り合い転がるのを眺めていた、 煙とともに過ぐ、、 うたぼだい はだしの車、 窓の隅にひととき華…

<959>「火を送る」

たたらたら らたたら ふいごう ふいごう 一途な、 あきらかにばらばらな、 ばらばらな、 火の粒は優雅 あなた あなた目掛けた それは過去ひといきのいのち さわいで溶かしたあの粒の、あのひとりでに はだかどうぜんのヒがあなたの鼻先、鼻の先へ、ひとりで…

<958>「朝に触る日」

暗くなる、、 こっそりと、 さわりさわり、 と、 この時間、 覚えずわたしだけが目になってしまった、 覚えずわたしだけが朝になってしまった、 色(イロ)のない朝に、一言(いちごん)の困惑とただよう、 ひとは寝る、 寝ているさまはおかしい、 寝ている…

<957>「葉、(午後を名乗る)」

澄み、さわぐ、 嘘と一緒に眠る、、 燈下、 燈下、、 、、、 垂れ、 はハ、ハは、ハは、 葉は、 騒いだ、、 ためらい、 その汗、、 滑らかな、、 肌色を読み、 明日(あした)は過ぐ、 気(け)取られない、 あまりに晴れていて、気(け)取られない、 うず…

<956>「あなたは涙になっていた、その時間の分だけ笑っていた」

本意気でさらってくれ、 過去どこまでも立ち姿は綺麗なのだから、、 喉に蓄え、どこをも空気のゆく、、、 静かなあなたが、逃げも隠れもせず、、ただに耳を寄せている、、 あなたはあらゆる角度から見て新しかった、 わたしは、わたしの空(カラ)の箱のなか…

<955>「風の日」

それは、その角(かど)は、 はたして、 不慣れな指の示す、 風向き、 色(イロ)とりどりと、 またぐ、またぐ、、 ひゅうひゅう、 ト、、 あたしが晴れを見つめる、 あなたがひらく、、 鳥の匂いがする・・・、 チッチッ、 さらり、、 ふるえながら、 画面…

<954>「軽さに交代する」

緑の鞘、 緑の鞘、 ふいに巻きつき、、 あたしかしらん あたしかしらん その冴えわたる、 見事な溶解、 溶解、溶解、、 あなたがたは死ではない、 ならばなぜ、 ならばどのように、 外は風、 ものは無判断、、 わたしは一言も発しない、 おそらく固まる、 そ…

<953>「呼気を揉み込む街」

はたり、 応答、、 声は絡め、 あなたの味、 ひとしめ ふたしめ そは些細、 ひたいの接近に、 酔(え)い、酔(え)い、 して涙、 あなたはかずえる、、 日(ヒ)は不気味にてらりてらり、 あぶらは跳ね、 まごつき、、 まごつきは一度、 いや二度、、 影が…

<952>「森は未来、森は皺をつくる、」

さらうさらうさらう、さ。 ものはものはものは、み。 言(こと)と言(こと)と言(こと)と、ぎ。 ひらたい、、 いと、、、 また会いました、 また会えましたね、、 うるささはまた明るさもまた、 ただ、、ただのひとつ、 ことけ、、 たれたれはたれ、たれ…

<951>「おはよう(まはだかに朝は来て)」

ふうわりと過ぐひとみ、 この壁一枚の真暗な夜に、 わたしはどこを吹こう、わたしはどこを吹こう、 それはすみやか、 それは恥じらい、 それは、まだかまだかと差す光、 濃くのび、また言(こと)が、ひとを過ぎてしまう、 まだかかる、まだかかる、 まはだ…

<950>「ほされて、」

あなたがたの、こくと飲む音(おと)、 静かな耳になり、耳はまた静かなり、 わたしはかわき、わたしは窓の外へほされる、 ただ吹いてみただけという、風にしても、今はただ吹いてみただけという・・・、 小川のそばで澄み、わたしはそのリズムを知っていた…

<949>「かんたんなことをやる」

かんたんなこと かんたんなこと そう ね うん かんたんなこと は 難しい そう ね うん 難しくないの? かんたんなこと は かんたん そう ね かんたんなこと は いろいろのものが混ざる 混ざる 混ざる そう そう かんたんなこと は 不安 不安 不安 不安 は い…

<948>「微笑みはいつも人の凱歌であれ」

経て、経て、よろめき、 あさて、あさて、わたしははばかる、 眼差しの線の先、ただのはだかに、 ひとの踊り移ろい咲き、透明な熱、 わたしは凱歌、 たれかただの困惑と言う、 困惑と言うなかれ、わたしは凱歌、 あなたは進み、あなたは踊れ、 街の先に喉を…

<947>「小さく踊れるから」

ある日、そこの角(かど)を横切るのがわたしだから、わたしは小さく跳ね上がる。 わたしはそこへ小さく踊っていたのだよ わたしはそこへ小さく踊っていたのだよ 何色のひるがえりが・・・? 見もし、かけあいもした日(ヒ)の、涼やかな姿が? 特段、歩行と…

<946>「次の砂を踏む」

日(ヒ)はさくと触れる。 お前もよろしく、お前もよろしく、 ただのいちほにも流る、 流る、しばらくすみ、流る、 ただのいちほに静かに寄り添うとき、 お前はいない、お前はいない、 窓枠がずれ、思わず風、 あたしの知らぬ、 あたしは裸(はだか)のまま…

<945>「ものはわたしを涙と混同する」

まだあどけない身(ミ)、 ひとの姿を縒り、ゆくあてはただ裂けている。 歓声と歓声、して溜め息、ひとはまた拾い、 高濃度のさけび声、 高濃度のざわめき、 幕間(まくま)に果てしなく、声の駆ける・・・、 君はけむたがり、ただ足元を見る、歩(フ)、歩…

<944>「僅かな匂いは、例えばただの白昼夢」

鳥はどこへふる。 あなたは緑色になって訊ねた。 小さく渦のなかに、濁って鳴るもの、かねてより掬うひと。 水面は恥じらい。あなたの頬が映る。 あなたは掬う、静かに染み、軽々と放たれていった。 ひとはいつか、はばたきの予感のなかに眠っていた。 徐々…

<943>「記憶の横に花は降る」

その場にひとりでよろめいて。 かけた言葉は外を過ぐ。 香りをひと跳び、ふた跳びすると、巡る、巡る、それはいつか、あなたの記憶か。 真黒。外は真黒。 あなたの記憶の横、花はふる。 あなたの手を音(おと)もなく過ぎて。 見える、ひとは互いの歌に乗る…

<942>「ひとみは無種類の活気を帯び、あなたを呼んだ」

ひとみの逸れて・・・。わたしは夜(ヤ)、、をおぼろげに見た。 そこではどんなにか跳ね。 そこではどう見ても雲。 ひとみは言(こと)を垂れる。また雲のかげに隠れ、それでも差すこと。 ものは移り、誰も止めていない。 円を描(カ)き、円を過ぎ、ひとの…

<941>「あなたがたの、風の時刻」

こは通り。あなたは風。あなたに振るわれて良かったと思う。 うるみ、まとわりつき、ひきりなしに吹く、吹く。 ふぃ、ふぃ、ふぃ。 大声、冗談と、からかぜ。あいだを澄み、混沌と、振舞い。 窓の隅をとろけて、いでた。ものはハッとして消え、ものはハッと…

<940>「膜の内から」

駆けた。 おとははずれる。おとはブレる。 全部、になるまで承知しない。と(トトト・・・)。 わたしはあちこちに散らばる。散らばる。散らばり、自在に動いていた。 ありたけの声の染みゆ、ありたけの声の染みゆ、夜空は、わたしを細胞膜にする。 ひとの移…

<939>「言い分のない朝」

目の端(はた)に光る、ひとは読む。 思うさま揺れる、ひとは過ぐ。 湧くものと、その先に控えるもの・・・。 ひとは溢れる。横溢の名のもとにわたしは乱る。 身垂(みだ)る、身垂(みだ)る、身垂(みだ)る・・・。 ひとは弥陀。それぞれの手のなかに一切…

<938>「蓋が踊る、緑は謳歌する」

猛然と過ぐ。途方もない眺めを意図したあなた。 けわいの底に隠れてい・・・、シンボルは鳴る、鳴る、鳴る。 中途へあなたが香り、ひとが喰らいつく。 わたしは新しい膜を過ぎ、ふらつき、ようやく息を継ぐ。 そのままの明かり、にひとつの焦がれ。 そのまま…

<937>「ここは道か(馬鹿々々しい程ひんやりしている)」

ここは道か。あなたがさきはうただひとつの道か。 ひとりでに道の、香りかたへ細(こま)く揺れる。移す。 意識が鈍色に、鈍重なその眺めに重なり。 ひとつのかどを過ぎ、ひとつの煙たい意識のなかに花は匂う。 わたしを小さく隅に移す。虚ろなままのなかに…

<936>「水色の時間に鳴る音のなかで」

たれて交わす。まだらなヒのなかに進む。わたしは追う。たれ言(こと)をかけるのかも知らず、追う、追う。 あたら涙、ひとはこぼし、触れるけわい、は、何度となく知る。語らいは続く、増えていく。 ものがわたしの顔をなぞり、読み取る、は、微細な雲。雲…

<935>「昨日より軽く」

空っ風のあたる・・・。わたしはさむしい、鳥の声の踊る、めまえにまた風が吹きつける。 ひとはそこの角(かど)に触れる。もたれかかり、意図は分からないまま・・・。 過ぎる、過ぎる、過ぎる。切り貼りされた混乱についてゆき、色(イロ)は惑う。 わたし…

<934>「窓にわたしの匂いが混じる」

ふかくなるヒ、の背後に走る。 全てに溶けていた。全ては訳(わけ)もなく手のなかに収まっていた。 お前が語り、お前が眩む、場(バ)は緊張するほどなにもない。 照らされ、映り、やけたヒになって遠くまでのびている、、すると、お前は新しい。 得体の知…

<933>「私は印象に名前をつけられなかった」

あの人。それは朝と呼べない。 名指すと、裸体は浮かぶ。それで過去と呼べない。 眼差しは、いまだ線にならず。声は聞こえない。 しびれる。これが、ひっくり返されたあとの、あっけない静けさだろうか・・・。 わたしは、吐き出されたものになる。吐き出し…