あなたがたの、こくと飲む音(おと)、
静かな耳になり、耳はまた静かなり、
わたしはかわき、わたしは窓の外へほされる、
ただ吹いてみただけという、風にしても、今はただ吹いてみただけという・・・、
小川のそばで澄み、わたしはそのリズムを知っていたという、こころもち吹いてみただけの風は、
干されたわたしの心にはかなう、
たれか歓声を上げて過ぎる、
音(ね)のなかになみだ、いついっかをも含まない、ただのざわめきとして、ただのひとつを・・・、
もの珍しく伺い、もの珍しくうちを描(えが)くと、ひとはただのいつもに似通った匂いで過ぎる、、
ある日ひとは絶えた、ある日にただ過ぎた、
わたしが風待ちになぐさみほされていた頃・・・、わたしがたれかの歓声の輪郭としてたしかにそこにあった頃・・・、それは無量の日々を伝う、
晴れやかなヒが無遠慮にゆく、
わたしはその明かりを見てはいられなかった、、
わたしのなかを流れる血から少しも離れていないのに、血は静かにほされてヒと同じいろになっていた、、
たれか歓声を上げて過ぎる、、
それはただ遠方の、こころもち吹いてみただけというほどにかすかな、あなたの風のなかをゆく、