ひとみの逸れて・・・。わたしは夜(ヤ)、、をおぼろげに見た。
そこではどんなにか跳ね。
そこではどう見ても雲。
ひとみは言(こと)を垂れる。また雲のかげに隠れ、それでも差すこと。
ものは移り、誰も止めていない。
円を描(カ)き、円を過ぎ、ひとの呼吸はぶれない。
幕がふと揺れ始めたもの・・・。
わたしは芝の匂い。
照明のもと、ひとひとものものの沈黙は大げさだ。
あなたの声は即座に増えていった。
耳はそれぞれ別の名で、あなたの前にあらわれる。しかし構わない、
無際限の揺らめき。ひとの喉に乗る、それから酔(エ)い、緑色や赤、空気を待つ道・・・。
日々の後方の後方で、ひとのしわぶき。
ここには、誰のものか分からない笑みがある。
ひとは窓を見、明日(あす)を身につく。
夕方になり、角(かど)は安らぎ、モニュメントはなめらか。
ひとの笑みを抜け、ゆきさきに、真っすぐささっている。
おそらく細い おそらく細い
ひとみは無種類の活気を帯び、あなたを呼んだ。いちどきり小さな声で、あなたの名を確かに呼んでいた。
あなたは晴れた。これという前触れもなく。
道に次ぐ道は、確かなひとみを前に、一度きりの夜を今静かに取り下げた。呆れ果て異なる日、の差していた・・・。