<948>「微笑みはいつも人の凱歌であれ」

 経て、経て、よろめき、

 あさて、あさて、わたしははばかる、

 眼差しの線の先、ただのはだかに、

 ひとの踊り移ろい咲き、透明な熱、

 わたしは凱歌、

 たれかただの困惑と言う、

 困惑と言うなかれ、わたしは凱歌、

 あなたは進み、あなたは踊れ、

 街の先に喉をひらき、その言(こと)を継げ、

 あァ、あァ、そのそばに咲いた、狂おしいざわめき、

 ひとは外を向いた、

 あてもない、あてもない、姿は古びず、

 きりのない、きりのない、夜(よ)の酔(よ)いは過ぎる、

 あわててなぜか、ラッパのイメージのなかに棲む、

 ここはひといろ、

 ここはふたいろ、みいろ、

 当惑線の先、あなたの微笑み、

 微笑みはいつもひとの凱歌であれ、

 ただ眠るのを忘れた人々の・・・、

 過ぎては映り過ぎては映りする、彼方のささやき、

 あたしはこの足で歩いているのだろうか・・・、

 ものの鳴く声、ものの肌はさわぐ、

 ただの惑いならくれてやる、

 わたしは惑いの凱歌だ、