私の頭を割って、ここへぬめり出てくれ。ここはおそらく質的変化の、突然の煮くずれ、の塊。
人が試しに駆け込むところ。
ボーッとしたのそれぞれで、頭は増えて。
まさか、あなたが陶然と、またこの頃と言うときの。
雨期に、あなたは表情を合わせる。
あなたは雨を降っている。
たくましい地面を、その土くれに触れていつもの音、を、消す、こうしてあなたは雨期 あなたは塊たい。
音ずれる機会を見つめる。その瞳のひとつひとつの砂。砂は方向を湿さなければならない。例えば泥田。
泥田ん坊 泥田ン坊
臆病にも私。私からは片方の目。
限りなくぬめ、ぬ、ぬめり込んでゆくと、ここから、緑、としか言えない毛、の毛。
あたしは泥のなかに生えている。
泥は表皮であり、内臓でもある。
ここでぬめりを割ってくれ。遠くから人の集まる。
おそらくは雨期。雨期は瞳のなかにひからびた叫びを置いておく。ぞくぞくと置いておく。
環状の語りが私の背すジを捉える。つらまえたあとの響きに突然転んでみる。私の声は出ない。
あたしは数珠を誘った。数珠のあやしい微笑み。
ひとりで、まあ、ひとりで立ち尽くすにしては、場所は愉快過ぎる。おそらくはひどく、むろん愉快にすす、水を、す、水をすする、と、そのときの片方の、目、だけで誘う。
もう一方は
片側の目はどうした。それは泥だんご。
泥だんごは、雨期を呑んでしまった。
泥田ん坊 泥田ン坊
そこから、明らか、な、私、の生える・・・。