<831>「帯び、帯び」

 裸足であること。あなたの話は難しい。決まり。数えたもの帯び、声を帯び、声ひからびて落つ。のちに、靴が暮れに暮れた、へなへなの皮。小石。

 おぞけのなかへひとりの感想を差し、たくらみとともにひしゃげた。かの空中感想はそしてひとり歩く。

 あたしは笑わないと気が済まないよっ。申し訳は誰のために垂れる。おふざけの過ぎたその向こうの向こうで、ひとり茶を飲む形と、暮れ、一枚の鳥。

 文言的な緊張。文言的な弓の張り。空気を畳んだのを見た。見物人の言葉はゴツゴツとして心を通る。身体的メッセージに従って周到に放心を用意したのは誰だ。あなたは誰だ。

 禁欲的なメッセージの数々に鼻的(びてき)に爆発していた頃、およそ嗅ぎ得る範囲が私としたものだと知る。徐々に匂いが分からなくなるところから始めよう。それは親密となる。

 親密的的確な試練。語りかけは次第に冗談だけで良くなる。不完全に空を仰ぐ。塵のメモ書き。メモ書きは散る。

 解釈の間に挟まって抜けなくなった笑みに、もぞもぞした顔とその中身を一緒に添えておく。飛翔は慎重に集め、砂利の一音一音をも確かめる。つまりは直観はいつでももぞもぞした藻類のなかに埋まっている。

 おおなんという鼻劇(びげき)。嗅いでいるうちはよそである。よそから借りてきたもので、仕方ない今度は確認のない歌を言おう。おそらく破裂、おそらくおおらか、おそらく今一番食べたいもの、ちょうどコックの断片的記憶とともに席へつく。ほの明るい。