<807>「蠕動運動の若さ」

 見間違いの、あたしのなかの、言葉とひと振り。

 よくよく考えて、隠れてくれるので、ここいらとそこそこの。

 なごやかさは転んだ。ひとつひとつ、を、摘み、私に渡す、と、低い、低い、完全な声。

 言うことは不思議だ。眺めのなかに、水筒。また混ぜられて、ひとまず注ぎ、不思議を開陳する。生の揺らめきが、私を捉えて、カラカラと音のする、の。

  の

 俺、俺、はいくらか雨。自ら温度とも知らぬ。影の方へいさぎよく歩いたかと思うと、雨、のなかにかかる。かかずらわる俺は、さわ、さわる。

 まともにぶつく。ぶつる。ふたつにして音はきれい。着たもののなかのきらめき。新しい匂い。ひひ、ひひ笑い。あなたは笑い、流れて込んでくるのでびく、びくつく。

 行方を、今、まで以上に大きく、ぼやかして、あたしの鼓動、脈と、それから蠕動運動。蠕動運動は若々しい。蠕動運動はあなたの部屋。

 スイッチが、当たり前に戸惑う。あたしの首はどちらへも傾く。スイッチが当たり前に惑うのとその部屋に招待されて呆然、のなかの呆然。

 関係のなかで、眠る私と、なまめかしい夢。なまめかしさは私を舌で探る。訳とともにあり、無関係の大胆な参加。あたしは舌を巻いた。あたしの部屋の壁のなかへ、単純な興奮が埋め込まれていれば、踊るにそれは充分である。ひとつの吐息。気が違って、ひとつの、吐息のあとの、わざとした、棒立ち。棒立ちはあたたかい。あたたかさは壁を羨む。

 いつも、きっとここまで飲み込まれている、と考えることの、間にある膨らみ。それは部屋になるまでの、謡。