陽のない昼下がりに、
応えていたんです。
遠のき遠くの方へ、
ひとがひとりいたんです。
まだ自身の声を知らない、身体の不一致を知らない、ささやかな、招くような姿、、
ふらり、ふらと揺れ、、
お前さまのそばで綺麗に消え、
跡のつかぬ、、
招ぶとすぐに飛んできました。
応えるとすぐに忘れてゆきました。
長い、長い一日のなかに、
かくも細く煙りゆるゆると浮かぶ浮かぶふっと、
そのあいだに何を挟んだらよいのでしょう、
ね、
あたしだって仕草はします。
けど、
おぉ、お、お、存在しなさる。
おれえにゃあんたがただの煙とは見えん、
よおよお、がは、は、
乱されまいて 乱されまいて
騒ぎなさんな、ねえ、あなた
どこへ鳴くんです、、
頼んないでしょう、
わたしはただ一隅に居ます、
どこへ鳴くんです。
冗談え 冗談え、
どこへでも通ります。
身体だって全くの艶で、へ、へ
一度や二度じゃござんせん、え、
ただ醒めてみればよいのでさ、
ただ醒めてみれば、、
どうでさ、どうでさ、
どこへでも鳴りまさ
大概のことでは言わないけれども、あなたがたがそうして現実を言うんですから、どこかへ散ってしまったのじゃないの、
そりゃあ、あたしだって言葉はしますわ、
時にはしなだれかかります。
でもね、現実は1日しかないんですよ?
あなたがたは眠っているだけなんです、
止まずたゆまずむく、むく、むくと起き上がる日のなかに声を何としましょう、、
どこへ向かって鳴くんです、
あなたがた全体を賭けて、
あなたがたの一切がどこへ向いて、
わたしは一隅にかかります、
そこで、誰彼構わずに膨らむのを見、
揺るぎなさを見、
ふと溶けて消えてく方角を見るんです、、