<1181>「眠る線の上に垂れる名」

 あんまり触れていたもので、

 色が剥げて、

 遠くの方まで見えていました。

 身体がかかります。

 ひとつの呼吸を忘れ、

 今またここを静かに過ぎるのです。

 あたたか、でした。

 緩やか、でした。

 いっときかかり、

 前へ、、前へ、、

 かわきながら捨てる姿、

 の、

 誰だか分からない時間、

 毎時々々あらわに、

 毎時々々長く、

 

 安心しておりました。

 あんまり想像を持っていましたから。

 ここから外へ外へ、ただ視線を引っ張って、

 もう見えないもう見えない、

 と、

 ちょうど沈黙しました。

 

 眠っている線へ、

 まず、誰とも知れず、

 人の眠っている線へ、

 確かに、名前じみたもののまま、浮かび、

 ただにリズムとする、

 ただに軽薄とする、、

 

 あのね、

 その先の道にね、

 からからんなってね、

 わたしを置いとくの、

 そしたら誰かが視てね、

 なんだろう、なんだろうと思うの、

 そしたらいよいよまた先の方が照るの、

 あなたがね、

 あなたが見るの、あなたが見るの、

 

 はい、

 只今、

 少し空気が冷たくなりました。

 あたしの顔がもう少し、

 もう少し分かるでしょう?

 とっても長い日でした。

 もうここへは戻らないのだとそう思うんです、

 それで、ふっと見ると、少しあかるいんです、

 本当ですよ、

 少し眠りましょうか、

 あなた少し時間をください、

 ね、手を置いて、

 ゆっくり見てください、

 戻りましたから、はい、、はい。