<2972>「冷たい笑い声を受けて」

 明確に怒られることや、

 あきれられること、

 無視されることよりこわいこと、、

 それは、冷たい声で笑われること、

 ああ、私はずっと、

 冷たい声で、

 まるで私が、どうでもいい人間のように、

 笑われるのがこわかったのだな、、

 静かにみとめることができ、

 私のなかをながれていた汗が、

 止まらずとも、

 落ち着いた、、

 

 それはきっと、人間が、

 悪気もなく持っているもので、、

 淵源の記憶は、

 母親のそれになるのだろう、、

 守られてきたはずの存在から、

 まるで、切断されるような、

 ふふっ、という、

 冷たい笑い声がきこえた、

 そのショックの大きさ、、

 その記憶の源に、

 後から来る事象が重なり、

 汗をかく、、

 汗をかくが、

 としをとってよかったと思うことは、

 その重なりが、

 一度目や、二度目ではないことで、、

 上手くつかんだり、

 整理したりすることが、

 いつの間にか可能になっている自分を、

 見出すことができるようになっていることだ、

 

 私は、

 まだ未熟な頃なら、

 その冷たい笑い声を受けて、

 萎縮して、自分がとても小さくなってしまうか、、

 反発して、怒りで返したりしてしまうか、

 していたでしょうね、、

 でも、、

 私は、笑われたときだけではない、

 軽く見られたとき、

 馬鹿にされたとき、、

 同じように悪意で返すのが、とても嫌なのです、、

 それは良い人だからではない、

 具体的に、

 そのように返しても、まるで気持ちがよくなかったという、体験を経ているからなのです、

 だから、

 そういう扱いに対して、私は、

 誠実さで返していく、

 思いやりで返していく、

 人間力で返していく、、

 これは、

 私が優しくて、相手のためを思うからではありません、

 絶対に悪意では返さないという、

 私の生きる筋なのです、

 私の戦争なのです・・・