<2971>「透明な部屋、血が荒れる」

 まだ、

 生まれたばかりの身体が走っている、、

 私には、

 原初の、

 血の荒れがあり、、

 それの勢い、

 それの濃さに、

 他ではない自分がふるえる、、

 

 私は鍛錬する、

 それは、

 立派だからではない、、

 底の底の、

 どうしても我慢出来ないというおもいや、

 底の底の、

 本気でこの熱を流したいというおもいが、、

 行き場を失わないようにだ、

 私には優しさや、

 穏やかさは、

 どこか遠い、

 そしてこんなに密接なものもない、、

 

 おそらく、

 のびていこう、のびていこうとすることは、

 勝つこととはなにかが違う、

 全く違う訳ではないのだが、、

 練習を、繰り返し、、

 しばらくして、そのまま、

 透明な部屋に出る、

 そこには目的も、熱意も、

 意地も、

 くやしさも、ない、、

 ただ、

 身体技能とひとつになり、

 とけてしまった私があるだけだ、、

 

 私は、

 そこで自己を透明と規定する、

 その底を、

 荒い血が流れる、

 透明な部屋は失せ、、

 血の匂いにさらされて、

 おそれた、

 一個の小さい精神が、

 日常の生活に、手をのばし、

 身体を支える、、

 身体はなにもうれえていない、、

 あたしは現実を支持する、

 支持するうち、

 現実を忘れる、、

 夢のなかへとけていれば、

 あとはどうでも、とは思わない、、

 あたしは、

 空回りしている、、

 空回りして、

 かいた汗のなかに、

 私の血が少しずつ入っていく・・・