能動的に動いた時のダメージは、あっても爽やかだ

 思い切って能動的に動いてみた。怒られるかもしれないし、失礼だとは思ったけれど、それは百も承知で動いてみた。

 やはり怒られた。失礼だとも言われた。しかし、ここまでの能動さ加減は逆に見事だとも言ってもらえた。

 怒られたことによるダメージは確かにあったが、そのダメージは何とも爽やかだった。鼻っ柱を折られることに快感すら感じていた。

 そうだ。いつだってそうなのだった。人間はいつだって忘れる生き物だ。能動的に動いた時は、ダメージすら、後悔すら、全てのものがある種の清涼感に包まれることを、経験的に知っていたはずなのに、忘れていた。正確には、忘れていたというより、しばらく思い出せないでいた。

 でもまた思い出した。爽やかさを久しぶりに体験した。そして、動こうと思えばこんなに動ける自分を再発見した。

 自分から動くのは気持ちいい。