<2766>「平櫛田中彫刻美術館」

yutaro-sata.com

 

 東京国立近代美術館でムナカタ展を見た後、常設展で、平櫛田中さんの、おそらく「永寿清頌」を見、身体がぞわぞわとするような興奮に捉えられた。

 

 為、田中さんの彫刻美術館に行ってきた。

www.city.kodaira.tokyo.jp

 

 良寛さんあり、空海あり、岡倉天心あり、鏡獅子あり、といった具合で、ラインナップがそもそも面白いが、彩色を施された彫刻群の、生きているというようなリアリティをまた超え出た、一種のアニメ的とでも言いたいような鮮やかさに目を奪われる。

 

 どうも派手で、カラフルな作品が好きになってきている。

 

 

 あとは、目ですね。

 彫刻群の、自閉的な目。

 目の前のものではなく、ずっと奥の奥の方を見つめているような目。

 私を睨みつけているのでなしに、私が入っていきようがないような、目。

 だから私は外側から見ているのだが。

 

 なかでも木に腰かけた樵夫の、その目は一段と素晴らしかった。

 見たことのない時間を多分に含んでいる。

 

 それら目のなかに、私は取り込まれ、空間がぎゅっと逆転して、あちらが動的に、こちらが静的に、というよりむしろ硬直させられてしまうような、そういう時間体験を可能にする場所として、彫刻はある。彫刻の目はある。