東京国立近代美術館でムナカタ展を見た後、常設展で、平櫛田中さんの、おそらく「永寿清頌」を見、身体がぞわぞわとするような興奮に捉えられた。
為、田中さんの彫刻美術館に行ってきた。
良寛さんあり、空海あり、岡倉天心あり、鏡獅子あり、といった具合で、ラインナップがそもそも面白いが、彩色を施された彫刻群の、生きているというようなリアリティをまた超え出た、一種のアニメ的とでも言いたいような鮮やかさに目を奪われる。
どうも派手で、カラフルな作品が好きになってきている。
あとは、目ですね。
彫刻群の、自閉的な目。
目の前のものではなく、ずっと奥の奥の方を見つめているような目。
私を睨みつけているのでなしに、私が入っていきようがないような、目。
だから私は外側から見ているのだが。
なかでも木に腰かけた樵夫の、その目は一段と素晴らしかった。
見たことのない時間を多分に含んでいる。
それら目のなかに、私は取り込まれ、空間がぎゅっと逆転して、あちらが動的に、こちらが静的に、というよりむしろ硬直させられてしまうような、そういう時間体験を可能にする場所として、彫刻はある。彫刻の目はある。