<2456>「『呼ばれて行く国 インド』~アジアンドキュメンタリーズ」

 

 

 ガンジス川に浮かぶ蛙のような、人間の死体。

 そのそばで、遊ぶ人、歌う人、祈る人。

 

 死を待つ人の家。

 あなたがたは本だけでマザー・テレサに出会うのでしょう、とひとりの女性。

 

 『深い河』の世界そのまま。本の中の世界に出合う私。

 

 最低カースト、ハリジャンの明るさ。

 日本語の上手いラムさん。

 焼酎は80分で出来上がる。

 

 ブッダが悟る場所。

 スジャータの墓。

 ガジュマルの木のでかさ。

 

 この木を見ていると、ガイドの仕事で得るお金なんか、どうでもよくなってしまうよ、と明るく笑う、下ネタが好きな、やさしい、プラバカルのような人。

 

 ヒンドゥー、仏教、イスラーム。

 貧困、祭り、祈り。

 全てが合わさって。

 

 シヴァ神の妻カーリーを、川に沈める人々の興奮には、

 交通事故に態度を豹変させて集まる『シャンタラム』の一場面を重ねた。

 

 ここでは人が生まれるな、と思う。

 ここでは人が興奮するな、と思う。

 ここでは人が、

 それに対して、決して良いとか悪いとかを言えない。

 

 車の間を当たり前に歩いていく人々。

 セックスする像。

 大きな牛の眼・・・。