2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

<554>「答えないように」

答えというもので何かが、いや何もかもが確定してしまわないように、疑問を提出しているのだと言ってみた方が良いかもしれない。つまり、答えは今欲しい訳ではない、だけでなく、永遠にいらないのだ。よく、 「答えを求め続ける」 と安易に言っていたりする…

<553>「只中」

お前にもどうやらこれが別々のものであることが分かってきているらしいな。しかし事前にいろいろと考えていることが直接に繋がっていないだけなのも徐々に分かってきているらしい。まず、何がしかの出発点があってそこからどこかへ向かって伸びていくと考え…

<552>「照っていない場所」

この僅かな場所を占めるだけで、明るさはまるまる全体にまで及んでしまうのだから分からない。小さな小さな点が、得意なままに錯覚を自分のものとしている。この場所もあの場所も、よく訪ねる一角も放っておかれた何てことはない位置も、全てが暗さだ。そこ…

<551>「からかぜの吹く道幅」

適当な形を設けて、ないものねだりの仲間を自認しよう。おおこの、天候と関係のない寒さ。きっと、私がこのように追い込まれているのではなく、追い込んでいることと同一だと思われた。 聞けるだけの悲鳴を聞いてくれと、切に願う今日それからまた明日。何故…

<550>「それもまた部屋、あれもまた部屋」

こちらを見た。何かを、訴えていた? この表情が、意味を持たずに驚いていた。いやいや、とてもそんなことではないと、私は誰かに伝わることを一番に考えて表情を作っていたことがあるのだろうか。よく見てよ、こちら側に回って、ほら、あれ? これはつまり…

<549>「形のない中心点の、」

どこという訳ではないのだろうが、何やら、回転を変化を無視してポツンとひとり、ここいらで待っているみたいだ。何故かということも特にはなく、固定するからさあこちらへ、といった態度がそちこちで炸裂する。ゆっくりゆっくり順々に見ていくと思えた通り…

<548>「当たり前の日、どこかの」

その日は、当たり前の天気だった。当たり前の天気がどんなものか分かるだろうか? 私には分からない。長らくこのままでゆき、おそらく全体を把握しえない日となることをぼんやりと考える。あの匂い、異常な暑さのなかで共に立ち昇るもの。諦め、からかい、涙…

<547>「回転面」

急なもの、穏やかに過ぎて過ぎるもの。回転のそばで渡され、また眺めおくもののそばでひとり歩くもの。呼び戻され、結構結構、交代で笑うこと。その他にはまたとない拍手、またとない期待、まるでない期待、感覚感情。今日から私には納得のいく動きが見出さ…

<546>「対応」

大体訊ねたいものは解りますその故訊ねませんから。なんだなんだ? 俺には喋り方がひとつしかないのか? そりゃ驚きだ。随分不自由な形を強いられているんじゃないかと考えていたんだが、誰もそんなこと強いられていやしなかったんだ。うわあ、今度ばかしは…

<545>「さよなら(いまだに手を振りかねたまま)」

とうとうさよなら、さよならなんという音が出た。俺が聞いていたのはこんな音ではない。聞かれていたのなら仕方ない手に手をとって、とっておきの挨拶を表現してみようではないか。内緒話、それから一切のズレ。たくましい季節になった。ほら、夜を取れ。そ…

<544>「緊張した手の伸びる先」

ひきずり過ぎるものその名を緊張と呼ぶ。これは誰に対してのこわばり、何に対してのためらい。ひとつの身体に戻ってくる水分また水分と、手を交わし状態変化状態変化その影響諸に。目出度くもこの足また足。呼び戻されてそこ、呼び戻されてまた。土産話のひ…

<543>「興奮しない、平穏じゃない」

私にはどれもが興奮に見えている。また、それ以外の条件はいらないようにも。道は、いくつか用意されていた。あくまで一応のことであり、絶対ではない。その時間に、しなければいけないこともないので、この、目の前に広がるものが大きな点であると言わんば…

<542>「私はホテルの水を飲む」

何げにホテル。誰も彼もがサラサラ訪れ、こんな奴らは一切合切招待だ。さあ入った入った。ぼくはこれから外に用事があるので、何、これ以上大事な用事があるってえのかい? いや、大事な用事があったりなかったりすることと関係なく、私には等しく外出という…

<541>「部屋、回転、仏頂面」

その部屋、突然現れた。まだまだ、気を良くしている間だけだが、なかなか静かな運動が気配や気配一緒になって乗っているのかどうか。夢であるためにどうもこのままでは不思議なことで終わってしまいそうなように感じている。そのことどもには同意せなんだ。…

<540>「自と想像」

ふたりが少し遠くで話をしている、としたら・・・。そこで何が交わされていると想像するだろう? それが、何の想像もないのである。視線がこちらでさえなければ、何てことはないただ視線は、ひとつの不安だ。不安をよく見て話しましょう。よく見ることで、そ…

<539>「中間地」

よく嘆きたがるものはおそらく、どこかの景色になっている。そこから時間の経過と言えども知らず、流れ流れた先の場所であるのかも知らず、細かい確認に分かれているところこそ、現在なのである。一切の物思い、気分に別れを告げ(あるいは告げられ)、しか…

<538>「次の足」

この足を直接に使うのでなければ、どこまでも遠くへ行けるのかもしれない。そういった願いは、この場合以外であれば有効で、現に大体のものがそのように動いているのだから、ただそこに腰かけているだけでもいいのかもしれない。 ただこの場合は、この場合だ…

<537>「虚ろな人の数え」

誰も、冷静さが武器とは言わなかった。それはそうだろうやがて、眺められることなどが諸共放り出され、無感情に何かを数えてみるのだが、いちからいちへ、この渡し合いに何の繋がりもなくて驚いているのだろう? そのうち、この疑問は穏やかな昼間のなかで拡…

<536>「ろんど、ろんど、渦の」

彼方から叶えられなかったものが集って非常な語らい、もう相当に嘘と大騒動、巻き込まれて今日行動するだろうから、まだ看板だがそばまで来てただ眺めていたりいなかったりするのだからほら、優しいな、眠るのにな。上を見たらいない下を見たら、後はこの登…

<535>「一量の電車の怪、体力」

お前が、また、そんなことを訊ねるもんだから、到底そんな言葉からは想像もつかない曖昧な景色、ドギツイこと、一両の電車を見る。何故、体力が、減っていけばいくほど嬉しいのだろう。肩を上下させ、この瞬間はただ、望まれたままのものだと知る。しかし、…

<534>「随分若くして生まれてしまった」

何処からも見えていない道を通った。 「時間が必要なのだろうか?」 時間は、あってもなくてもいい。何故ならそこに、距離らしい距離もないからだ。速さなどは要らない、速さなどはない。それでも少し、速さを頼むようなところがあったのではないか。 「あっ…

<533>「関心と寛容」

必ずや、分からないことが現れて、ここにある。この道を、どう進んでもどう戻っても、私にはそれが分からなかっただろうし、これからも分からないのだろう。そのことを知って、 「安心している?」 いや、同じ場所に住んでいるという幻想を、迷いなくここに…

<532>「丁寧な接触」

ひどく静かな雨だった。それを、確かに聞いているから、まだまだ思い出し、思い出さなくてはならないもので埋めている。君には、丁寧な訪問が必要なんだ。何故だか、そこで答えることはない。不可思議を思いのままに変更し、なんとなく見つめている。君を見…

<531>「嘘を追う」

私は、嘘を追っているような気がしました。嘘を追って、心の中ですみませんと繰り返すものの、景色が各々で回転するのでどうしようもなく、ひと揃えの招待をともに見破る癖がついてしまっていたのかもしれません。どうやら、この恩恵を被るや否やの議論がや…

<530>「数々が似る」

時折ここで、重なっているように見えるもの。その足で、滑っているように見えるもの。まだ、乾燥気味の空気から抜けきることもせず、後ろを振り返り振り返り、投げやりな態度が地面に映っては消える。 「どこまで戻ればいい・・・」 いや、戻るのではない。…

<529>「呼吸の知らない場所で」

適当にこそなれ、それだけの望み。静かに淵をかいて、またそれは、私の呼吸。一息ばかりの秘密が積み重なり、拡がって、音の無い群れ、呆然と眺めるもののこと。ここを訪ねる人々、不思議と笑み、ふたつ残し、感情から別れ別れてひと休み。 この時間に、この…

<528>「あまりに生身の手」

あまりに膨張、あまりに淫ら。その影を眺める者も今はなく、ひしゃげた風景をゆく。なまめかしく、なまめかしく。これではとても、濃密な絡みにはなれまい。 「足であれ、足を使え」 それもそうだが何故か手だ。強制的にスローモーションで、身体の中心線を…

<527>「赤い色で見る」

半透明の、そこのあなた。見えているもののうちで、一番うさんくさいもの。もっとも、あなたは透明のことしか考えていない。透明だということしか。考えるのはいつもそのこと。 「私はまるで、ここにいないようじゃない?」 あなたの、ただそこにはめこまれ…

<526>「情けないままの」

別の自分をどこかに任せてしまう訳じゃない。どこか他人事なのねと、目で言われ口で言われ、なるほどそれもそうなのか他人が、マイナスのなかから私に出てきて、 「誰だ、誰だ?」 と揺すぶっている。 大きな顔が、場所もなく辺りをウロウロし、何を投げ何を…

<525>「一体、一体」

全部が全部おんなじ問いを必要としている、のではなく、結局ひとつの問いに全てが集まってくるのでもなく、問うということそれ自体が、そのひとつ事を、ひとつ事だけを指しているのだということ。つまり、 「一体、これは・・・?」 という言葉が全てで、そ…