適当にこそなれ、それだけの望み。静かに淵をかいて、またそれは、私の呼吸。一息ばかりの秘密が積み重なり、拡がって、音の無い群れ、呆然と眺めるもののこと。ここを訪ねる人々、不思議と笑み、ふたつ残し、感情から別れ別れてひと休み。
この時間に、この場所で、ひたすら休憩になるものだろうか。関係のない興奮とともに、そこまで歩き、また歩き、あれやこれや、択ぶ先のものならどうであろう? 特別な警戒が一応必要になるという空気が、確かにここまでも伝わってくるのだが、それに対して応える、
「う~ん、今一度」
と。
やはり、よく見るものの類ではなく、珍しいものから順に倦怠の対象とされ、同じ拍子の繰り返し。時計の音が、耳にハッキリとして来る。眠りから、あるいは覚醒からも遠くなって、見たこともない場所で、大きく伸びる。ここからどこに続いているかなど、知るはずがないと考え、またあの音を聞くとはなしに聞いている。