<3057>「記憶をひく」

 あたしまだかまだかとその身体の辺り、、

 あたしの死亡の、

 その最後の辺り、、

 あたしは拾うよ、

 どこにひらかれていてもいいと、

 あなたに告げて、

 からだうたう、、

 何もない、

 ただの風もない、、

 あたしはしずかに風景の外、、

 この風景の外が、

 あたしたちの、

 その下にあるものとして、

 確かだと、

 私は記憶をきく、

 記憶をひく、、

 

 記憶から辿れば、、

 あなたは呼吸の辺りに、、

 その、苦く、

 どうにもならなく、、

 どこを探しているのかすら、

 皆目見当のつかない、

 一次の歩行があらわれる、、

 ほんとはあの影を探していた、、

 ほんとはあの道を、、

 私にはそれはもうなく、

 からだはここにあり、、

 からだははてた息をする、、

 私は刻む、、

 からだ刻印する、、

 あの、

 取ろうとしても取れない月日が、

 私にはうれしく、、

 私には愉快なのだろうか、、

 からだは水を吐いた、、

 どこか下から、

 あがってくる熱の、

 その辺りに、

 吐いたもの、

 私には一列、、

 私には集合、、

 きっとこれも身体のはたらき、、

 私には見えたもの、、

 見えたはたらき、、

 しずかな別れ、、

 

 しずかなかたまりの、、

 さなかにひとり、

 そっと見えるものの、、

 名前を、

 いまはたしかめ得た、、

 ながれて、

 ながれているものをも、、

 からだに集め、

 からだには走り・・・