<2644>「名前も知らない私に、ひとつの風を」

 時々後ろを振り返り、

 ぼやっとしている、

 私の姿を見つめる、、

 そうか、

 今の私から見れば、全て、

 生まれて間もない、

 ひとつの混沌のなかにいるもの、、

 私はそこに、

 しずかに削りを入れている、、

 削り出したものが、

 いまはっきりとしてきた、ということか、、

 

 そんな訳はないのだが、

 高校の頃の私の中に、

 既に今の私がいて、、

 ある日、

 ほうけて空を向いたタイミングで、

 何かの断片を、

 現在に向けて通していたはずだ、

 と考えることがある、、

 もしかすると、

 空を見つめること、

 ぼうっと一点を眺めることが、

 時間を、

 過去、未来、

 自在に繋ぎ合わせることなのかもしれない、、

 私はもう一度会えないはずだ、

 と考えたかどうか、

 もう一度会っても、

 あまり驚かない、、

 一方で、

 現在にないものは、、

 もう全く縁がないものと、

 妄想することもある、、

 突然その線と、

 この線とが繋がって、、

 私は、

 それが全てだったはずの過去を思い出し、

 今がどこなのか、

 一瞬分からなくなる、、

 

 立派にというべきか、

 よくもまあここまでというべきか、

 変化して、、

 会いにくくなったことに、

 純粋に傷付いていた時期は、もう去り、、

 そのどうしようもない変化の現在と、

 変わらぬ過去とをもって、

 二つを行き来して、

 楽しむぐらいの、

 どうやら身体ではあるのだ、、

 人に会うことが全てですよ、

 と、

 名前も知らない人が、

 名前も知らない私に、、

 ひとつの風を送り込む・・・