<1063>「知らないひとよ」

 知らないひと、、ひとり、知らないひとよ、、

 わたしにふうあいを、

 わたしにふうあいを伝えてくれ、、

 知らないひとよ、闊歩してゆけ、

 階段をのぼり切ったところで、振り返り、うつむき、静かに呟く、知らないひとよ、、

 同時代人の前で、さびしく笑んでいる、わたしの知らないひとよ、

 当然の輝きを持ってそこを曲がれ、、

 見えなくなるまで、とうに見えなくなるまであなたの呟く声よ続け、

 わたしは知らないひとになる、、

 いくらでも輝かしい知らないひとになって、

 無口で、優しく笑んで、階段をのぼってゆく、、

 その先でまた振り返るだろう、

 うつむくだろう笑むだろう、、

 問答はややもすると続く、、

 あなたの輝きの秘密にいつまでも祝福なれ、

 ひそみ、あらはれて、満開にはじけれ、

 交わせ 交わせ とんだ冗長なる時間も、

 なにのために交わされているのか分からない言葉も、

 ここに混ぜて、

 試みに笑んでみてくれ、

 それはさわやかで美しいあなたの後ろ姿を想う・・・