<1911>「光が爛れる」

 巡行の中で、

 光は爛れる、、

 私は真一文字にその場へ結ばれて、、

 何か遠くへ向けて、言おうとするものの、、

 その語りも溶け、、

 上手く油になり、

 模様をして、、

 水面にあらわれてしまった、、

 ねえ、あれはあなたの身体ではないの、、

 なにが、、

 あなたがあそこに膨らんでいたのではないのかしら、、

 なにを、そんなこと、、

 私はどこまでも円を描き、、

 どこまでもそのそばにいた、

 

 あなたは溶けていないわよ、

 どうしてそう液体なのかしら、、

 もう少し、

 ほんの少し、重量を去って、、

 回転したらいいのに、、

 このまま、長い時間に、

 あなたがひとりで、あらわれたらいいのに、、

 しかしあなたは光量、、

 いまこちらを見つめ、、

 妖しく生きるもの、

 視界のなかを油分で持って、、

 あからさまに揺らぐものだものね、、

 私はこの光量が爛れて、

 全身がほどほどに熱を持ち、、

 水が跳ね、、

 身が跳ねて、、

 ずっとこの地面の先まで伝わることを確信する、、

 なにだなにだ、

 このさわぎからあなたは来たのか、、

 ずっとそこで日を結び、

 手の中でぼうぼうと燃し、、

 真っすぐに立っていたのか、、

 時間から出なさい、、

 あなた、はやくその顔が無時間になるように、、

 少しで流れてきなさい、

 といいものもあたりまえに垂れてきたのだな、、

 

 私は跳ねて、笑んだ、、

 笑んだら実に当たり、、

 少し華やいだ、

 少し華やいで、、

 知らされる、液と私と、光量のなかに、くだる微笑み、、

 この無数の線の跡、

 合わせた日のひとの姿、、

 ただ緩慢に流れて、

 悲しみが、ひとつの口の端からただ捨てられる泡のようにのぼる、、

 私はこの膜のなかにはいる、、

 知られて、液になる日を持ち、

 揺られて、、

 流れて、知らされて、、ただの日に・・・