<1064>「道にさわぎ」

 色褪せる儚い一行よ、

 通ろう、、道幅は狭い、、

 疲れて誰もが鳴き止んだところへ、

 通ろうどの道、道幅は狭い、

 道にさわぎ 日(ヒ)にさわぎ、

 さてさて歩みがなんになるのやら、、

 なににもならないもののために、今歩こう、、

 わたしは歩行を夢と取り違えるものではない、

 ささやかな香り、かぐわしい振舞い、、

 わたしは理想と匂いを取り違えるものではない、、

 あきらかに、今宵は溜め息から生まれるだろう、

 溜め息、、それも長い夜をひとりで集めているもの・・・

 あじきない肌に、記憶の粒が散って、、

 もうこれ以上なにものも加えることが出来ない、

 もうこれ以上なにものもたたえることが出来ない、、

 とそっと打ち明ける、、

 その仕草は夜(よる)に見えた、

 一秒ごと 一秒ごとに 曖昧になってゆけよあなた、

 あなたに夜(ヨル)が着られるように、

 あなたに夜(ヨル)が飾られるように、、

 ほっと無感情に澄んで、その

 一歩 一歩 を 見つめてゆく、、

 あたしの夜(よ)の仕草、、

 その香りはただどこかでまどろんでいる・・・