<1062>「淡い鐘の中へ」

 続けざまに聴こえるわたしには聞こえる

 なべてあるその他(タ)、わたしには聞こえる、、

 鐘の音(ね)はいつか衰えている、

 わたしを挟む

 わたしを弱い波でかなしく挟み込んでいる、、

 全景がやや色(イロ)を捨てて悲しくなる、、

 さけび 走る、、

 いくらかずつ繋いで 繋いで、

 音(ね)のなかに巻いて 巻いて、、

 ふさぎ込んだ表情から 静かに閉じられた手のひらから、

 わけもなくぼぅぼぅと煙ののぼるとき、、

 ひとは鐘の音(おと)をまた意識し始める、、

 ささやかながらもそれは色み、、

 飾られたあわい、

 染(し)む 染(し)む 音(おと)、、

 さそい、、

 胸のなかに丸くなってゆくひろがってゆく、、

 そっと言(こと)は音(おと)は鐘にすべらせ、、

 肌はあわい、、

 また撫づ風もあわい、、

 さそい、

 あまりに静かなのでその場に立ったままでいる、、

 風がする