<1262>「全く一点が染みる」

 道にひとつの身があるというのは、

 そこから破けてひとりのなかへ溶けていくというのは、

 なにかいかがわしい香りがする、

 私は静かにすけべ心を持ち合わした、

 揺れた、

 たったひとりの、集中のもの、集中でないもの、日々の起き伏しとはまるで関係がないと考えられるものが、

 いちかしょに凝集し、、

 わたくしへの通路、、

 通い路という身体を取っている。

 

 そうしたらば、日参する、

 黙って、

 いちかしょを凝視シながら、

 まったく照り、まったく泳ぐ、

 そのなかに声というよりあるためらいの表情の全体が収められており、、

 身体が立ち上がる、

 歩行が上手く染みてくのを感じた、

 そんな気分ではあった、

 

 この一点から上手く散じたはずの吹き上がりの全体が上手く収められて、、

 わたくしと見る者とが ともに驚きをあらわすとき、

 散じたとおもわれたものはひどく軽くなりそのために移動が柔軟であるようになったことを知るだけだった、、

 身体の全体が生きていた、

 身体の全体像が、

 

 私はそうしてある関連のない場面に住む緊張に出合い総体というものを考えざるをえない、

 声がひとりで揺れていた、、

 全く散じてしまってしばらく経ったあとに、

 散じてしまいたい、

 、

 と、追いかけるようにして思う。

 きっと当たり前の表情で、

 

 私はそんなら確かめえない小さな香りのなかに住むものもともに関係があると考え始めるだろう、

 きっと、何ていうことはない、

 身体が上手く折り合ったり折り合わなかったりするなかに、

 ひとり立っていた、、

 時間は粒に打たれ打たれ続けて、、

 全く混乱の音しか立てていないけれども、

 それをきくと不思議に静かな気持ちになる、

 それをきくとある順序も私のうちに咲いてくる、

 

 反対側からも線はのびてきていて 縒った、

 まずは縒った、

 からめていた、、 どちらも抵抗しない、

 静かに合流しただけだ、

 一本だ、種々の色をした、

 一本だった、、

 わたくしは身体の動きのなかにまるまっていく、、

 一歩、また一歩、 絡まって、音もなく、ただ当たり前でもって、