夜を立っている。
あなたがぬ、ぬ、ぬ、 と独話さる、、
この隙間にほっと相槌を置いてよいものか、
もう少しこのままで流されていようと思ったのに、
風が夜に立っている、
一言目が大きく響いていた、
がらんどうのなかを全身で、動く、
目をつぶっていた、、
ある忙しない眠りに、 ぬという、ぬという、ぬという独話が溢れ、みだれる、、
わたしは騒がしい眠りになる、
なっている、
独話は続く、
その言葉のなかに敷かれて、 ひとりでポォとした、
ひとりでただポォ、とした、
ただその流れのなかの一粒にじっ、と出会うために黙々と来た、
ああ、ああ、、
私はどこかから偶然に運ばれて来ていた、
ひとりの粒が長く残る、、
騒がしさのなかにひとり凪いでいる、
どこかに貼りついているのではない、
どこかに場所を見つけて眠っているのでもない、、
ただ総体として静かに浮かんでくるのだ、
流れはあるようだ、
そうして夜を過ごしていると、、
ちっとも遠くではないところで、
ひとたちの忙しなさが心持ちよくここまで続いてくるのだ、
きっとあなたはそのようにしますね、
静かに続いてきて、、
軽やかな風のなかに ひとりの粒を少しずつ畳み込んで、
続いていますから、
そうして見ています、
だんだら、だら、 ト、
ひとのなかをゆき、
小さくみあぐ、
かなしいほどに綺麗な日に、
あなた、独話しょう、
そうして言葉のなかに敷かれて、、
たった今から何十年も、、
その巡りにおもいあたるたびに、
ただポォとしますから、
ああ、そう思うと、、
たったひと粒なんですね、、
私は普段持っているとも持っていないとも考えないものですから、
全くそんなことは知らないで、、
ひと粒のなかに、
丁寧に畳み込んだ数々を受けて、、
見事にゆききします、
それはもう、 小さな一風景のなかに、
そっと独話して、、
身体が馴染んでゆくのを感じながら、、
なのです