<3023>「ただ新しい日を掴んでゆく」

 まだ底なしの、、

 あたしが勝手に果て、と呼ぶところから、

 さらに先、

 さらに奥へ、、

 今、

 積み重ねられている時刻は、、

 そのようにあります、

 だれが救うこともできず、、

 だれが代わることもできない、

 ここはひとつぶひとつぶ、、

 過ぎて、

 上手く行っていた頃が懐かしい、、

 何度目かの危機に居て、

 私は少し静かにしています、、

 

 あたしがた、

 先へこの液を垂らす、、

 今、

 生まれているもののため、、

 じっとそちらを見ている、

 じっとそちらを見て、

 ここを掘る、手を動かす、、

 これはなんでもないこと、、

 しかし、

 底がないこと、、

 ここで、

 同じように手を動かすことでしか、

 先に行けない場所が、あるということ、、

 私は盛り上がらない、、

 私は盛り下がらない、

 現実と、

 少しのあいだ遊び、

 帰ってくるだけ、、

 不安定な時刻のなかで、

 私は、

 ただ新しい日を掴んでいくだけ、、

 こわさに、、

 付き合ったり付き合わなかったりする、、

 からだを、

 つくりこんでいる、、

 

 あいた大きな穴、、

 私はどこに運ばれていくか、、

 これはどこに出ることになっているのかが、

 まったくわからない、、

 まったくわからないまま、

 あなたはこの存在のヒのなかに、

 静かに混じろうとする、、

 静かに当たり前に、

 私はここの姿として、

 はじまろうとする、、

 あたしがすべてにきこえ、、

 すべてのかたちのなかへ、

 あつまろうとするとき、、

 それは驚いてしまう、、

 それはのけぞってしまう・・・

<3022>「干渉、内部‐胎‐汗‐液‐事態」

 からだ、長い、、

 あたし再時、

 うん、うん、冷や汗、、

 汗、

 冷や汗、、

 からだが、

 ずっと先まで、流れている、、

 あたしは、

 それら宇宙を、眺めている、、

 からだはての日、

 はての日のつながり、、

 私はもとを見、、

 からだから掬う、、

 ひとつの因果形態、

 からだのすべて、、

 ひとつの時間形成、、

 ものの先へ出るあなたのことを、、

 

 あたし干渉する、、

 干渉する身体、

 こんな、

 干渉事態、

 干渉する身体、、

 胎、

 干渉‐胎、

 干渉する‐身体‐胎‐事態が、、

 記憶の揺れ、、

 あたしの最後の揺れとして、

 今永遠に残っている、、

 血を運ぶ、

 今、

 あたしに流れている血、自身が、

 おそらくどこかにある、

 数多の記憶を招んでいる、、

 ああ、

 芯からからだは増える、、

 お前さんのその望みはなにだ、

 なにからからだは生まれ続けてくると、

 透明な日時を踏んで、

 ここへ出てくる、、

 

 内部で誘われる液、、

 いずれ汗にかかわる記憶が、

 お前の正面に、

 しずかに据えられてある事態、、

 この、

 内部‐胎‐汗‐液‐事態、、

 どこまでも記憶する、、

 からだの汗の事態、

 液自体が、

 からだをころげてゆく、、

 あたしはしずかにしびれてしまう、、

 あたしはしずかに迎えられ、、

 ここではたらく、、

 ここでかかわるいくつものものごとが、、

 私に絡まるのを・・・

<3021>「『かいじゅう』」

 新宿K's cinemaにて。

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 毎日、毎日が大舞台だ。

 

 それは、表現に掴まったものを待つ宿命。

 

 俺は、いつかこいつに食い潰されてしまうのかもしれない。

 

 

 絵を描くとき、西村さんはうなり声を、笑い声を、悲鳴をあげる。

 

 かいじゅうと名指される、その存在の、際の際のところから、

 

 どこへ向かうともしれない声が、溢れ出す。

 

 声は、身体を駆動する。

 

 その働きを越えて、声は、そのまま、表現へと変換される。

 

 泣き声が、笑い声が、怪物の唸りが、

 

 そのまま、色、線の混ざりとして、眼前に現れる。

 

 

 西村さんと、西村さんの母との二人きりの生活は、その底にいくつもの危うい契機があったことを包んで、平穏だ。とても静かだ。

 

 私は、私の絵を見に行かない。

 

 何だろう、私の人生って。

 

 かいじゅうは、森の奥深く、誰にも知られない場所で、

 

 しずかに、たばこを吹かしている。

 

 乗り越えなければならない、危うい地点が、この先に、一体いくつあるのだろう。

 

 知らない。

 

 私は舞台に上がるだけ。

 

 毎日、毎日が大舞台だ。

<3020>「重み、歩みの重み、朝」

 生まれたばかりの時刻が、

 全ての重みを背負っている、、

 全ての始まりへ向けて、、

 あたしは、

 全部の呼吸をただこの映像時に、

 たくわえていく、、

 からだください、

 からだください、、

 もう帰りたそう、

 もうあなたの放つ、、

 ひとつひとつの時刻に、

 あたしは帰りたそう、、

 

 夜を、

 ひとつひとつ通る、、

 あたしは幼児ではないな、、

 しかし幼年のときのさびしさを、

 今でもきちんと持っている、、

 それはありがたいことでも、

 悲しいことでもない、

 なんとなくそのまま持っているということだ、、

 あたしにはその声とか、

 もっと先とかに、、

 からだのひとつひとつを映して、

 からだのひとつひとつの声が、

 まともに応えるのを知る、、

 それがあなたの人生の記憶、

 忘れてしまっても、、

 遠くの方で、

 点滅としてつながる記憶、、

 あたしには走りたい日々があり、

 緊張する身体があり、

 結末が待ちかまえている、

 いくつかの出来事があり、、

 

 緊張していること、

 一番緊張していることが、なんなのか、、

 それが分かり、、

 外での仕事とか、

 色恋とか、

 そういうものはすべてフェイクです、、

 あなたには、

 いちばん重みがかかっていることがある、、

 それについて泣き言を言わないとか、

 助けてくれと言ってもしょうがないとか、

 それらの言葉、一体何だ、

 と思っていた、

 未熟者の時代があなたにもありましたね、、

 来るところまで来ましたよ、、

 あたしはこれら重みのもとで、

 淡々と、

 いや淡々としているのは具体的な作業面だけかもしれない、、

 内部は嵐です、、

 訳の分からない、、

 お前が誰であるかなどと問わない、、

 顔のない人・・・

<3019>「あれはてたからだの物語、液時刻」

 この行為はなんだ、

 今絶え間なく、、

 私のなかにつながる、

 ひとつの糸を掴まえて、、

 からだを奥へ、奥へ運ぼうとする、、

 この行為は何だ、、

 私が静かな平面に、

 綺麗に揃い、

 その先へ向かおうとすること、、

 私には果て、

 からだを進めながら、、

 私には膜、

 

 汗がはたらく、、

 どこか遠い記憶の底の、

 あれが汁にあたる、、

 そのあいだ、、

 なにだ私には、、

 忘れ去られた風景の、

 一時点の繰り返しが起こる、、

 そこに存在すること、

 そこに声がはじまること、、

 私は生き物になってきた、

 からだからつながり、

 普通に届く、、

 さらの生き物になってきた、、

 このあたりの新しい、、

 しずかな化物に、

 回転してあなたに当たる、、

 ひとつの通過地点に、、

 ものもながく、、

 ものもただ正常に来て、、

 あたしは待つ、

 あたしは行動する、、

 からだを投げる隙、、

 準備がいよいよ出来てしまっていること、

 何かが起こってしまうかもしれないこと、、

 大きな、

 事故の始まりかもしれないこと、、

 

 あれはただの興奮、

 あれはただの液時刻、、

 あれはてたからだのものがたりが、

 今をする、、

 今からまた先を急ぐ、、

 からだははてる、、

 はてて、かわいて、、

 水のなかに戻り始めた、、

 これらの記憶の、、

 ひとつひとつ物語りする、、

 延長にあなたは並ぶ、、

 先を先を見る、、

 かなたからあなたが来る、、

 あなたもひとつの時刻、

 時刻のはじまり、、

 長い記憶のはじまり・・・

<3018>「最初期の水、奥の重さ」

 まともにあつまる身体、、

 ああ、

 そっくり重さのなかに、

 ひとつひとつ集まっていく身体、

 どこからふえていくのか、、

 どこからまきこみ、

 あたしがからだの最後、、

 からだの最後方から、

 ここに辿り着いたのだと、

 ひとりでつぶやいては、

 からだをつくりあげるのに、

 どうにも訳が分からないまま、

 ひとつの道、

 ひとつの方法を、

 素直にあけることにしている、、

 

 あなたが存在の際で、、

 静かに汗するのを、

 私は見ていますよ、、

 私はひじょうなからだのさいしょ、

 最初期の汗、

 最初期の水、、

 全部が回転する、

 全部が紛れて、、

 ものが発する、

 そのリズムのさなか、、

 あたしは入っています、

 重さに入っています、、

 ぐっと、

 ぐっと奥へ、、

 あなたは入っています、、

 これでは生まれるものが生まれてしまう、、

 あたしにはいくつもの、

 光線のことがよぎり、、

 からだは、おどろき、、

 あたしのひとつのものの先へ、

 しずかに作られてくる、

 その存在を見ています、、

 

 あたしはからだを掘る、、

 これにつぐもの、

 これにいつものからだをひとつずつ作るもの、

 あなたは用意する、、

 あなたはしずかな光線を、

 からだのなかに用意する、、

 さあ、

 よくは分からないながら、、

 このはじめのあなたの生まれを、

 ゆっくり見てくださいね、、

 あたしだって泡立ちますから、

 もっともっと先へ、

 どこにいるかが分からなくとも、

 あなたは浮かぶのですから、、

 ね、

 少しずつきいてください、、

 あなた、ね・・・

<3017>「化物だけど紳士に」

 失敗したな、

 何か純とか、、

 ひとりを求めるとかの理想を、

 私の外から持ってきて、

 それをもとにやろうと思うと、

 どんどん元気がなくなっていく、

 どんどんしゅんとしていく、、

 これは前から自分の癖として、

 ちゃんと知っていたはずなんだけど、、

 純に閉じていかなきゃいけないみたいな、

 思い込みが相当強いのだろう、、

 

 化物への道ですよ、

 ええ、

 私が歩いているのは、

 まだ化物見習いぐらいではあると思いますが、

 そういう道があったという喜びと、

 そういう道しかなかったという悲哀、、

 これは、

 両方抱え込んでいくより仕方のないものだと思います、

 化物だけど紳士に、

 化物だけど穏やかに、、

 

 周りからどう見えているかとか、

 好かれているのかいないのか、、

 何か噂されていそうなのかどうか、

 もっと来てほしいのかほしくないのか、

 そういうことが、

 まったく分からない、、

 人間が分からない、

 ここまで分からないと、

 逆に面白くなってきました、、

 馬鹿じゃん、

 馬鹿はどんどん貪欲にやるしかありません、

 そうでしょう、、

 どんどん行きますよ、、

 

 そう、

 いろいろ遊んでみて、、

 ひと通り、

 何もしないとかもやってみて、、

 私は、

 自己の生活を、

 表現とトレーニングに集めていくと、

 単純に楽しいというか、

 充実してくると感じて、

 生活設計をそのようにしたのだったね、

 だからそこを偽っても仕方ないというか、、

 別に、

 変なことではあるかもしれないけれど、

 例えば今から足が速くなったとてなにがあるの、とか、

 そういうのあるけど、

 この気持ちよさはちょっと他では味わえないという、

 ただそれだけのことで、

 あとは細かく積んでいくことに、

 興奮するたちの人間だということで、いいのだと思う・・・