<986>「黒色の蝶」

 黒色の蝶

 わたしが

 あなただけを好きだというただのいきおいに乗れ

 幾たびも軽くなれ

 黒色の蝶、、

 お前は物語か、、

 わたしを見てどう思う?

 なにのきなしに触るるその曲線に何を思っている?

 たえまのない目の叫びにさらされてあなたの羽はどう変わる?

 普段お前がなにのきなし、なんのてらいもなく時間のなかに消えているのを思い、ただ、

 そうあるべきだ、

 と思っただけなのだ、

 黒色の蝶

 お前の軽さは無力なのか?

 おそらく無力だと問いもしないその姿わたしにはとても美しく見える、、

 わたしはあなたをいだきたい、

 しかし、いだかなくともよい、

 そうやって普段時間のなかに消えて、時々、これといった、変わり映えのしない瞳のなかにあらわれる、あなたは黒色の蝶だ、、

 ただに美しいと言えばピッタリしない、

 ただあなたの羽のなかでわたしのまどろみがなんどもよみがえる、と言えばよいか・・・