<971>「タザ、タザ」

 座臥、それから打坐

 打坐、打坐、打坐

 うたれる、、

 今日の音(ね)が、いわずとも響く

 堂を過ぐ 堂を過ぐ

 いたってひらたい いたってからっぽの いたってあたまのなかに

 野(の)ぐさいうたも過ぐ、、

 時間は軽やか

 跳ねたい 跳ねたい

 わざとあなたを吸い込みたい、

 まるでもうけ まるでもうけ

 夜(よ)を平気で過ぐあなたの響き

 あなたの座臥、

 感傷的な音(おと)は去り

 あなたが残る、

 そこにただ坐しているひとの、、

 うちここちよい響きが残る

 わらう、あるいはからの大声で、、

 堂内うち乱る、ひとところのまぐわい

 するすると手、するすると手の、かわいたリズムに、

 ただもう蓄年のうたが乗る、

 おゥ おゥ おゥ

 かなしいひとりのじねん

 わたしの先のふるえ

 やんやと手をひらげ、あなたを掬いいだす、

 そこにいっさいの照りはためき、

 そこにいっさいの雲間の風、、