<887>「たきあがる」

 おとのその。楽園に思惟は、花の甘苦い香りを残している。

 おとの彼、わたしに小さな口を残せ。

 ゆ。あるいは、ゆ。感情的なヒトフシに、無音の速さでしがみつく。私は鳴れ、感情の真向かいに棲む、ON/OFFスイッチのために、無(ム)と無(ム)で踊られろ。

 子(コ)ら、かきわけられた。言(こと)の一帯、(それはものすごい轟音!)、、あたしの腹なかの鳴りに、どこかマの抜けた名前をつける(ひとり見ているだろ?)。

 れんれんらく、れんれんらく。ふるえ(もし)、ふるえ‐ト‐わたし、のあいだに、真っすぐの風(かぜ)が落ちるなら、思惟を、思惟「は」と言ったらよいか、細かな粒にまで戻ってゆき、私が騒がしくなる。私は一本を大仰な空気と考える。一切はクウトキ、クウと、キ(気・・・?)。

 いりのおと絵(→)、駆けかたのてらいを、ひとことで示すと、私は全面的な照れにまぶされる。その眼(・・・メ)の、過剰な評価から、ひと沈み、また振るう(イ)ながら出(イ)でくる。

 まさか私は私を摑み損ねるとしか思っていなかったのに・・・。

 あたしは投げ出された後(あと)に、笑みも、行方を惑わす暗い雲も、平等に存在し続けることを知る。

 「なんとか伝われ/いかようにも伝わるな」

 という、奇妙に同じの願い、静かなヒ(ヒ?・・・この場合のは・・・)の向こうで、ゆらゆらとする、曲線は、独自の願いを見ている。

 立つ、と、呼吸ども。すみやかにゆく、ましてや、大胆な息(イキ)に魅せられた、辛うじて渦(うず)の夜(よ)。

 私がただ単に炊き上げられていた・・・。