あんまりよく見えるので驚いた。さて、混乱し切った頭に、何の混乱も生まれてこないことに気づいて、さぞや奇妙に落ち着いたところだろう。
本分に対する意識の稀薄さ。むろん、ありもしないものに対して強い意識を持ち続けることなど、そもそも不可能ではあるのだが、その幽かさの為か、浮遊の不安定さは感ぜられるのだが、各所に絡まってグイグイと引っ張られるような苦痛には出会わない。
しかし、夕方とも思えないほどの暗がりで、真っ当(?)に本分に苦しむひとつの揺れを見て、不思議に申し訳なさを覚える。申し訳なさの理由を探らないぐらいには頭脳がハッキリしていて、そもそも見つけられやしないぐらいにはこんぐらがっていた・・・。