2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

<585>「隙間帯の動き」

いやですよあなた、かきまぜられるだけかきまぜられているのですから。この大音量は私のどこを回って、何を使って上ってきたのでしょう。真新しい驚きのそれである、ということで、徐々にひとりになります。いや、徐々にではないかもしれなく、ひとりの風景…

<584>「日の熱」

あれかな、身体かな。どんなでもあれ呼吸と呼吸。充分にあたたまってきたものだから溶けていくのだろ。まとめて浴びたいや。何故だろうね関係あるのかな治ってみたりやめてみたり。元気だね、元気でなくて、続けているのだけ。合点だけカタカタこのままだと…

<583>「ここにはずっと座っていられる」

私がこの間だけ、全体的に眺める。軽くて、風景は遠くて、悠長なだけ、ぽこぽこ喋って、ふたつの会話だけ、地べたから浮いて、訪ねて、訪ねて、見たことのある間合いがあっという間にここへ戻る。やあやあ、なぜなぜ? あたらしくされるもの、そのされた分だ…

<582>「混線する、」

ひとつのものといつもいるのよ。つまみあげるだけつまみあげて、ひとつのものと、いつも。通りを目一杯に渡り、なかなか現れないだけと割り切って、退屈なら二度三度とまた鮮やかに巡って、部分という部分を起こして、また太くなり、きっといつもそこで当た…

<581>「これからの遠くのため(はいろい色)」

一昨日その眠たさと噛み合い始めた場所から、飛び飛びの記憶を頼りに全体像を結んでゆく。訪ねる方法はそれしかない。そういえばただゆっくりと歩いている時間はどこかに放っておかれ、いつどこで出会ったのかふたり、視界を鮮やかに飾るふたり、このまま、…

<580>「言葉の在り方」

「あなたが言ったことに対して、私は何の反論もありませんし、言いません。恨みも怒りもありません。が、あなたは、私に何かを言ったということ、自分の立場を棚に上げて何かを喋ってしまったということを、いつまでも憶えていてください。自分がどれほどの…

<579>「人形の舞台」

どこで聞き、どうして訪ねたのかを今、問われていることが分かるのだが、それは私が答えることではない、という顔をいつまでもしていると、困惑の色が浮かぶ、瞳に映る、こちらへも移って移ってまた移り、さて誰が話し出したらいいのか、また、そのとき何を…

<578>「身体は身体の上に」

重ねているのか、何が? 和やかな笑いが何の出来事にも関係なくこぼれ出して慎重に慎重を重ねた先へポトリと落ちる。ポトリ、ポトリ。何でもかでも舐めてゆけ。舐めるとき舐めざるもの、ここにはあらず。あらあら私が案内しましょうか? いやな言葉だと思っ…

<577>「身体操」

左へ三歩、くるっと回って右へ三歩、くるっと回って左、右、左、右・・・。 「ねえ、私がどうしてこんな動きをすると思います?」 少し大きな声で周りに話しかけているようだったが、誰に訊いているのだ。一応顔だけは上げる人たち、足早に過ぐ。うーん、飽…

<576>「混沌とだ、あなたはそうだ」

出たか、そうだ出た出た。またあそこにもここから昇ってあれ、ほら、よく揉み込んだ顔を見せている。早急に、拡がっていくから待たないでほしいまたの機会を捉えてほしい。混沌と行動すること、その男、どことどこ。ポコポコと考えていることが今度これから…

<575>「帰り道などという涼しい場所のことを」

尚、その回答では納得いかず、といった人たちの集まりに関しまして、私どもが行えることといいましても大層限られているのだということ、これをご承知願いたくよろしく、よろしく・・・。 「では、どっちだ。方向はどっちだ?」 どちらを選んでもあまり納得…

<574>「よくある朝」

ちょっとちょっと、と、何だかひどく揉めているらしいふたりの間に割って入って(コーヒーをこんなところで飲むのはどうなのか、など、飲食禁止でもない場所で何を言っているのだろうか)、まあまあまあ、少し落着きましょう、落着きましょうやと汗をかきか…

<573>「踊るうちに」

はいはい、集まってくれましたね。なるほどどうもこれから話すことひとつひとつに何か重要なものがいろいろ隠されているのではないかと思って身構えておられるが、なんのなんの心配は要りません。私はこの前雲のよく見えるところまでひとりでトボトボと出ま…

<572>「暖かいだけの夜、」

訪れ来るものの気持ちは逸れ、フワフワドカドカ大量の汗と健康の怪。順番に死につつ徐々に立ち上がることども。私もそのなかのひとつ? 大袈裟になって何が良し。これも良しあれも良し。一度こういった度外れの騒ぎのなかに身を置いてみたいと思っていたのだ…

<571>「無秘密」

全く別ものの場面、これが、1日やそこら、いや、もっと言えば、1時間やそこらであったことを思うと、ひとしきり駆けてみたくなる。いたく気にいっているものとこれから出会う場合、現実に振れたり、混乱に振れたりしたらいいのだろう。なされれば話せまた…

<570>「溜まる」

切なさが私の代わりをする。切なさが私の代わりを二度三度と務めていて、呼び声と言えば、今はまだここにない。 遠くの休みから今までの声が聞こえ、今度また同じようにして眠っている。軽く震えると、それぞれがまた不可欠を歌い出す。どうどう、それそれ。…

<569>「簡単そのものの駅、簡単そのものの列車」

一度きり、この夜は薄い。お前が訊ねたがったものがそのまま、バラバラになる役割を果たす。 「なあ、このいつかはいつか、いつになるのかな」 何とも言えない応え、それぞれの用意。低く低く渡ってくるお前はこの白さと何故か、ふたつにも分かれないことを…

<568>「いやな時間に汗をかく」

それが、どのような強さであれ、私には見えている。この、見えているということから出発するとき、それは発見なのか、確認なのか。それとも、ぐるぐるぐるぐるといつまでも回転しているということなのだろうか。 物事に、不足というものを感じられなければど…

<567>「歩行者の印象Ⅳ」

なるほどそれでは長嶋さんが皆からちょうど見えなくなるものだと思った。それはちゃんとした理想でありながら、その理想的な状況を前にすると観客は戸惑う、見に来なくなる。それは矛盾なのか、いや、至極正当なことのように思われたのだが何故だろう。 「つ…

<566>「歩行者の印象Ⅲ」

「良い人、というのは権力の話だからあまり好きではないんです。単純な、退屈な、良い人の型、というものがあって、それに嵌まらなければ冷遇されたり排除されたりする領域がある。まあ、それは社会全体について言えることかもしれませんが・・・。それで、…

<565>「歩行者の印象Ⅱ」

自分というものをおっ放り出して、他人の動きに一喜一憂する、そういう者は自分の人生に責任を持っていないのだ、と。確かに、極端に入れ込んでいる場合はそうかもしれない。ただ、観客という役割が、人間から外れてしまうことはない。それはずっとついて回…

<564>「歩行者の印象」

「応援し甲斐がないんだよ。大体ねえ、見ている人がいるから成り立つものをね、どうしてそんなに素気ないのかね」 「へえ、まあ、どうも・・・」 「へえまあじゃないんだよ。そりゃあ勝ってるのかもしらないですよ、強いのかもしれない。しかしね、ありがと…

<563>「延々、円環と」

誰が座ったかあちこちの光、ここに映されて辿るはずもない。 人が集まるとも思えない小さな小さな空間のなかに、ひとりで座っている。カラカラカラカラ。車輪の回る音と、独特の個性、呼気、呼吸。何も考えなくてよい、それは少し違っていた。しかしこの加速…

<562>「まだ覚めて間もない」

髭がひとつゆらゆらと揺れ動いてまた考える事が掻き回され移されてゆく。それからの細さ太さ、関係なく画面の中心にすうっと伸びてきたかと思えば何かを話す。取り合わないだろうことを予測してひとり言の域を出ないよう慎重に慎重に。あれ、これからの運動…

<561>「歌の歌い方」

あのおかしな歌を聴いて俺は・・・いや、あの人は普通に歌うことも出来たし、その歌を聴いたときは心地良さだったが、もう、半ば歌うのをやめたかに思えるぐらいの進み方で、こっちへこぼしあっちへこぼししていてそれは明日にも明後日にも続く不可解な響き…

<560>「ここは私より広い場所」

肯定肯定! 否定されたのとおんなじくらい、やんなっちゃうよ。過去全部が今の糧になってなきゃいけないなんて、そんな無理やりな一本化ある? 道は一本じゃないのに、分かれながら増えながら訳分かんなくなってんのに、 「ええ、それはどこまでもただの一本…

<559>「コト、コト」

このなかでまた、ゆっくりゆっくりとまた、丁寧に覗いている一度そう。このことは倦怠、このことは窮屈。視線を投げかけてかかること、もの。ポロポロ、私、ゴソゴソ、私。特別な呼吸あちらからこちら。またの間から逸らしてみてよほら。深い穴の間、ここを…

<558>「ほっという息とともに、前に来た人」

特にこの間だけ何が起きたというのでもないのに、早くから人という人はここに集まって一抹の興奮を握り締めながら全体が顔となるべく眺めている。そのなかのひとり、特に興奮という程でもない笑みを湛え、和やかな空気作りの中心からはしかし微妙にズレてい…

<557>「連続と、聞こえる音」

そんなもんかと繋がらない理由もなければ、繋がっていく理由もない訳でそんなことならほら、欲望とちょうど同じくらいの台詞を喋ってくれればそれでいいと言う。ただここに見られる動きのそれぞれは量と関係している訳ではないのだから、多過ぎたり少な過ぎ…

<556>「外の色と同じ思考」

私が内緒だった頃、同じ話とまた明日。私が内緒だった頃、大袈裟になってもう一度。私がまだ内緒だった頃と同じように、慎重な空気と共に駆け、今時分、これだけの徒労がそちこちに道を作るなら、ひっそりと隠れた風のない通り、内証で朝昇ったものが話しか…